39 神威の力

空気が重く、冷たい風が俺を包み込んでいる。

空を裂くような轟音が響き渡り、リヴォールの闇魔法と炎の力が交錯する。

激しい戦闘が続く中、俺の体には疲労が蓄積していた。

リヴォールの攻撃は一層激しく、攻防が繰り広げられていく。

彼の魔力の波動が空間を歪め、周囲の環境さえも脅かしていた。


「修羅、リヴォールの力が増している。何とかしないと、お前の体力が持たない。」神威の冷徹な声が響く。

俺の意識が遠のきそうな中で、その言葉が支えとなる。


「分かってる……だが、どうすればいい?」俺は息を呑み、リヴォールの攻撃をかわしながらその答えを探していた。


その時、俺の目に留まったのは、手元にある魔石だった。

これまで何度も俺を助けてくれた魔石。

だが、今こそ、これを使わなければならない瞬間だ。

神威の力を引き出すために。


「神威、頼む。お前の力を貸してくれ!」俺は魔石を手に取り、神威に向けて放った。


「それを……俺に食わせろ。」神威の答えが脳裏に響く。

躊躇う暇はない。

魔石を神威に献上するイメージを思い浮かべると、魔石は消滅した。


その瞬間、神威の力が一気に俺の中に流れ込んでくるのを感じた。


狂暴な魔力が俺の体を駆け巡り、黒炎の霊刃が一層強力なものへと変貌していく。

熱い、激しい、圧倒的な力が俺の中で渦巻く。

その感覚は、まるで地の底から力を引き上げてくるような、暴力的でありながらもどこか陶酔的だった。


「これで……行ける。」俺は息を吐き、再び霊刃を握り直す。

その刃先からは、これまでにないほどの圧倒的な魔力が放たれる。


リヴォールがその変化に気づき、目を見開いた。

その目に、わずかな驚きが宿る。

その瞬間、彼の体から放たれる魔力がさらに強烈になり、周囲の空気が歪むような感覚が伝わってきた。


「来るか……!」俺は覚悟を決め、黒炎の霊刃を構えた。

リヴォールが一歩踏み出すと、空気が震え、闇と炎の波動が渦巻き始める。

俺の中に流れる神威の力がその波動に反応し、さらに強力な魔力が俺の手から放たれる。


リヴォールはその力を前に一瞬ためらうが、すぐに反撃の姿勢を取る。

炎と闇が交錯し、周囲の空間がまるで引き裂かれるように歪み始める。

だが、今の俺には恐れはない。

神威の力が、俺を支え、戦いの力を与えてくれている。


「これが……お前の力か。」俺は静かに呟く。

神威の力が完全に目覚め、黒炎の霊刃がリヴォールに向かって放たれる。

刃は空間を切り裂き、リヴォールの防御を突破していく。

だが、リヴォールもまたその力を持っている。

激しい攻防が繰り広げられ、どちらが勝つか分からないほどの戦いが続く。


「全力を出すんだ」神威の声がさらに力強く響く。

その言葉が俺の心を奮い立たせ、再び黒炎の霊刃を振り上げる。


リヴォールの攻撃をかわしながら、俺は一気に前へ出る。

神威の力を完全に引き出し、魔法の力が全身を駆け巡り、俺の動きは一層速く、強くなった。

その力をもって、リヴォールに立ち向かう。


「お前の力…俺には届かない。」俺は冷徹に言い放ち、リヴォールの防御を打破するために、さらに強力な一撃を放った。



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