足助優の日々

えいみ

学生の日々

第1話

中間テストが返却された。

俺、高校2年の足助優あすけすぐるの点数はというと、すこぶる悪い。赤点だらけ。

もう泣くしかない。

で、友人の高原優たかはらゆうくんはというと…さすが!と言う結果に。

赤点2つくらいに留めるとか、やばいでしょ。学校俺より来てないのに!よし、訂正手伝ってもらおう。


というわけで、授業が終わる頃になった。


「高原くん、足助くん、愧島きじまさんの3人は、放課後残ってプリントをして下さい」


うえーー。また残れってか?やってらんね~。

高原くんはというと、

「高原お前、勉強しないでそんだけできるとかすげー」

「でも、また居残りだな」

そんなことをクラスの人から言われていたわけですが、高原くんはぼーっとしていた。

そうか、今日一瞬彼女のジャムさんが教室に来たけど、すぐに東京に行くと言って帰ってしまったんだった。きっと、高原くんは放課後遊びたかったんだろうな。


放課後になって、せっせと3人でプリントに取り組む。せっせとはしてないかもだけど。


「高原くん、もしバイトしてなかったら成績いいはずだよ」


「まあ、バイトしてないと金なくなるし」


「いやいや、ジャムさんめっちゃ仕事してるし。大丈夫じゃない?」


「いや、俺も仕事したいし」


「そうかー」


俺はというと、生活費のために日々働いている。親から金とかもらえないし。授業料は払ってもらっているが。バイトするしか、俺には道はない!


「ねぇねぇ、早く終わらせたほうがいいと思うけど…」


高原くんと2人で話していると、一緒に残っている美女、愧島さんが話しかけてきた。愧島さんは、ジャムさんの親戚だからなのか、美人に弱い俺はメロメロなわけです。しかしまったく振り向いてもらえず。それでもお友達にはなりたい。


「そうだね、早く終わらせ…」


と言いかけたとき、


「もう終わった。じゃ、帰るから」


と、あっさり高原くんは言った。


「ええ!?」


2人で声を上げたが、その後は無言でプリントを終わらせた。それじゃあと、愧島さんは一言残し、帰ってしまった。一緒に帰ることは許されないのだろうか?同じ優という漢字の名前を持ってても、こうも違うというね。

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