野獣先輩の冒険譚

第36話 野獣先輩の冒険 ～地下迷宮での試練～

平凡な大学生活を送るかに見えた野獣先輩。しかし、彼には知られざるもう一つの顔があった。「あっ、ちょっと待って！今、何でもするって言ったよね？」と冗談交じりに話しかけてくる彼だが、その胸には誰よりも熱い正義感が宿っていた。

ある日の夕暮れ、キャンパスを歩いていた野獣は、ふと視界の隅に怪しい影を捉えた。「おっ、待てよ」と呟き、影の後を追い始める。影はまるで彼を誘うかのように、キャンパス裏の森へと進んでいく。そして彼がたどり着いたのは、苔むした古い扉だった。

「何だこれは…たまげたなあ。」

扉を押し開けると、その先には広大な地下迷宮が広がっていた。暗闇の中で野獣は慎重に足を進めるが、次々と襲いかかる怪奇現象に心がざわつく。

「ンアッー！やべぇよ、やべぇよ…」

それでも彼は、立ち止まることを許さなかった。迷宮の奥深くへと進む中で、野獣は迷子になっていた学生たちを発見する。彼らは恐怖に怯えていたが、野獣が「安心しろって、俺がついてるだろ？」と力強く語りかけると、不思議と心が落ち着くのだった。

彼らを連れてさらに進むと、巨大な扉の前にたどり着いた。そこには謎の文字が刻まれており、扉の向こうから低い声が響いてくる。

「クッソ汚ねぇなぁ…誰だここに入ったのは…」

現れたのは、この迷宮を守護する存在「ガーディアン」だった。しかし、彼はもはや理性を失い、暴走する怪物と化していた。

「やっぱり怖いっすねぇ…でも、やるしかないだろ！」

野獣と仲間たちは協力してガーディアンに立ち向かう。途中、幾度となく窮地に追い込まれるが、野獣は仲間たちに「イキスギィ！」と声をかけて士気を高める。試練を乗り越え、ついにガーディアンの暴走を止めることに成功する。

「すまない…心を失っていた。感謝する。」

正気を取り戻したガーディアンは、迷宮の秘密を語り始めた。この迷宮は、かつて古代文明が残した知識の宝庫であり、その知識は人々の未来を照らすものだったという。

「やっぱり、俺は伝説になるべくしてここに来たんだなぁって。」

野獣は迷宮の知識を手に入れ、仲間たちとともに地上へと戻る。しかし、そこで知ったのは新たな脅威の存在だった。「この冒険は、ほんの序章に過ぎなかったんだよなぁ…」と呟きながら、彼は再び冒険の旅に出ることを決意する。

そして彼の名は、今やキャンパス中に響き渡っていた。誰もが彼のことを語り継ぎ、彼の勇気を称えるようになる。

「お前らも、いつかこうやって伝説を作れよな？」

そう言い残して、野獣は静かに旅立った。

彼の冒険は、まだ始まったばかりである。