第24話 炎熱の火山、迫真の冒険
地面がゴウゴウと唸りを上げる灼熱の大地、そこは幾度となく噴火を繰り返す危険な火山地帯だった。
トレーニングをやっている野獣先輩(24歳、学生)は、その火山に一人で挑むべく、背中にリュックを背負いながら険しい山道を進んでいた。
「Foo!! アチアチ火山だぁ……」
野獣先輩は額に汗を浮かべながら呟く。真夏の太陽に焼かれたような熱気が周囲を包み込み、彼の全身を汗でびしょ濡れにしていた。しかし、そんな状況でも野獣先輩の表情には迷いがない。
「これも冒険の醍醐味ってはっきりわかんだね」
先輩の目標は、この火山の頂上に眠ると噂される「黄金のカルデラ」を見つけ出すことだった。そこには大昔の王が隠したとされる財宝が眠っているという。
険しい道のり
野獣先輩は進む。途中、火山灰で滑りやすくなった岩場を越えたり、突然湧き出る蒸気に驚かされたりと、道のりは決して楽ではない。
「やっぱり冒険は辛いっすねぇ……でも、負けられないってはっきりわかんだね」
リュックの中には水と簡単な食料、そして謎の黒い球体が一つ。これは何なのか、彼自身もよく分かっていないが、「アホな先輩でも持って行けば役に立ちますよ」とKMRから渡されたものだ。
途中、先輩は道端で奇妙な石像を見つける。それは人の形をしているが、顔は溶けたように崩れていた。
「なにこれ、怖い……怖くない?」
不気味さを感じつつも、先輩はそれを通り過ぎる。しかし、どこからともなく聞こえるような低い唸り声が彼を追いかけてきた。
「やめてくださいよ! ホント怖いんですけど! しょうがねえなぁ〜」
灼熱の頂上
数時間の苦難を経て、先輩はついに火山の頂上に到達する。目の前には、噴煙を上げる巨大なカルデラが広がっていた。その中央には、燦然と輝く黄金の柱のようなものが見える。
「はぇ〜、すっごい……!」
しかし、その黄金の柱を目にした瞬間、足元の地面が揺れ始めた。
「ファ!? 待って待って! これ、噴火しそうじゃないですか!?」
まさにその通り。火山が活発化し、マグマが地表へと溢れ出してきた。先輩は慌ててその場から逃げ出そうとするが、突然背後から巨大な火の鳥のような生物が現れる。
「ファッ!? こんなの聞いてないっすよ!」
火の鳥はカルデラを守る守護者だった。その目は鋭く、先輩を睨みつけている。
「イキスギャース!!!」
謎の黒い球体の力
「イキスギャオオオオオオオオオオン!!!!」
燃え盛る火炎放射を紙一重で躱し続ける野獣先輩。
「おいおいおいおい、練習よりきついじゃねえか!!」
逃げ場を失った絶体絶命の野獣先輩は、リュックの中にある黒い球体を思い出す。
「これ、今使えってことだよなKMR……?」
意を決して球体を取り出し、それを火の鳥に向けて投げつけた。
「ええい! これで終わりだぁ! ンアー!!!!!」
球体が火の鳥に命中すると、突然光を放ち始める。
「イキスギイイイイイイイイイイィッス!!」
そして、火の鳥がそう叫ぶと、その姿が次第に薄れていき、ついには消え去った。
「なにこれ……すっごい……」
静けさを取り戻したカルデラの中、先輩は黄金の柱に近づく。そして、その柱の足元に大量の黄金の塊が眠っているのを発見する。
「やったぜ」
野獣先輩はその黄金を少しだけリュックに詰め込み、満足そうに火山を下り始めた。
「お ま た せ」
無事に火山から生還した野獣先輩は、その後街で黄金を換金したが、思ったよりも換金額が低く、冒険は続けるみたいだ。
「何があるか分かんねーから、やっぱり冒険は楽しいっすねぇ……」
こうして彼のイキスギハチャメチャアチアチ火山の冒険は幕を閉じた。
しかし、彼の胸には新たな冒険への情熱が燃え続けていたのだった。タブンネ。
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