思い出の時間

 氷がゴロゴロと落ちる音がする。


「あんま使いすぎないで。冷たいものばかり飲んだら良くないから」


 彼がそう言うと私はいつものように分かってない時の分かったを言う。


 二人で使う小さな冷蔵庫。実家と違って製氷機能なんてない小さなやつ


 だから水を注いだケースを冷凍庫に入れて氷を作る。出来上がると彼にお願いって言って氷を外してもらう。ちょいと捻ると簡単に取れる。その仕草を見るのが私は好き。


 一緒にコンビニに行ってロールケーキを買って、アイスコーヒーと食べる。


 いつか電気屋さんでこの冷蔵庫よりも大きなのを選びに行くのもいいかもしれない。氷を自動で作ってくれて、よく知らないけど野菜が長持ちする機能がついてるの。高いのかな。


 でも今はこの時間が私は好き。ずっと続いたらいいのに。そう思う。





おわり

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