第2話 ちいさなかごに

教会の子供声楽隊に娘が選ばれた。

ああ、良かった。

だってうちの娘は小学受験するんですもの。


娘の受験する学校は歴史ある大学まである

お嬢様学校なの。

キリスト教系の学校。

ここの教会とは深い繋がりがあるのよね。

クリスマスの声楽隊に選ばれた子は

受験に有利になるの。


別に信仰心なんてものは待ち合わせでないけど、毎週のように日曜礼拝には通ったわ。

あとバサーなんかもね。

手作りのクッキーとかって嘘ばっかり。

私、お料理は苦手なの。デパ地下でいくらでも買えるもの。

なんでわざわざ作らなきゃなんないの?

だから、デパ地下のクッキーをわざわざ

ビニル袋にリボンを付けて用意したわ。

めんどくさいけど、娘の受験の為だもの。


バザーの時だってブランドのバックやアクセサリーなんか古くて使ってないのを沢山出したわ。捨てるよりマシだもの。

皆さんは手作りの刺繍や編み物なんかを出してたけど。

あんな陳腐な物なんか買う人いたのかしら?


教会に行く時には、派手な格好はダメなのよね。

娘にも紺色に白ブラウスっぽい服装を心がけてたわ。勿論、オーダーメイド。

ふふ、同じような服装でも生地や仕立てが違うのよね。


絶対に合格するわ。

娘は私のプライドだもの。




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