第25話

冒険者ギルドに到着したサノス達は冒険者ギルドが騒がしいことに気がついた。

「何かあったのかしら?」

「貴方達。無事だったのね」

そう言って話しかけてきたのはミーネだった。

「無事だが何かあったのか?」

「森に向かった冒険者から今日はやたらと魔物に遭遇するって報告があったのよ。って、そこにあるのはオーガ?」

そう言ってミーネは浮いているオーガを見て驚いている。

「あぁ。森の中層で狩ってきた」

「中層に?深層にいるはずなのに・・・。森で何かが起きているのは間違いないわね」

「とりあえず解体所に置いてくる」

「あぁ・・・。そうね。もしかしたらギルドマスターに呼び出されるかもしれないからそのつもりで」

そう言ってミーネは急いで奥の方に向かっていった。

解体所に着くと馴染みとなった解体所の職員が出迎えてくれる。

「今日は早かったな。っていうか、オーガかよ」

「そんなに珍しいのか?」

「年に2、3匹あればいいほうだ。深層まで潜れる冒険者は少ないからな」

「そうなのか・・・」

「とりあえず預かるぜ。換金の方は期待しててくれ」

木の札を受け取り解体所を出るとミーネが待っていた。

「ギルドマスターが話を聞きたいって」

「わかった。行こう」

ミーネの後に続いて冒険者ギルドの2階に向かう。

「失礼します」

「あぁ。入ってくれ」

室内に足を踏み入れると相変わらず書類の山に埋め尽くされていた。

「わざわざ来てもらって悪かったね」

「いえ。それでお話というのは?」

「森の中層でオーガと会ったという話だったね。詳しい話を聞きたい」

「そうですね。中層に入った早々に10匹以上のオークの群れと遭遇しました」

「それはまた、不自然だね。多くても5、6匹というところだが」

「恐らくですがオーガに警戒していたのではないかと。戦闘音に気が付かれてオーガに襲われましたので」

「本来、オーガは深層に住む魔物だ。それが、中層にいた。どう思う?」

「森の深層で何かが起きていて逃げ出してきたというところでしょうか」

「やはりそう思うか。だが、問題もある」

「問題ですか?」

「今この街に、森の深層まで潜れる冒険者がいないんだ」

「サノスなら行けないか?」

「いや。難しいだろうな。現にオーガ1匹であれだけ苦戦したんだ。複数に遭遇したら勝ち目はない」

「しばらく森への立ち入りは禁止するしかないな。調査の方は他の街の冒険者に声をかけてみよう」

ギルドマスターが決定したのなら反論しても決定は覆らないだろう。

今後の活動をどうするか相談する必要がありそうだ。

「話は以上だ。もう行っていいぞ」

「はい。失礼します」

サノス達はギルドマスターの部屋を出ると酒場に向かった。

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