第24話
今日はゴブリンやスモールウルフに角兎などとやたら遭遇した。
「なんかおかしいな。ここまで魔物と遭遇するなんて」
「そうね。何が起きているのかしら?」
「考えられる可能性はいくつかあるが・・・」
「その可能性って?」
「強い魔物が縄張りを移動したとかだな」
「そんなことなんてありえるのか?」
「調査してみないとわからないが可能性がゼロではないな」
その後もサノス達は襲い掛かってくる魔物を倒しながら森の奥を目指して進んでいった。
「おいおい。マジかよ」
「どうした?」
「反応はオークだが、10匹以上いるぞ」
「いけるか?」
「オーク程度なら問題ない。俺が相手をするからフォローを頼む」
そう言ってサノスはオークの群れに突撃する。
フォローを頼むとは言ったがサノスはあっという間にオークの群れを討伐してしまった。
「おい。結局、1人でほとんど倒しちまったじゃねぇか」
「悪いな。だが、安心するのはまだ早いぞ」
「それってどういう・・・?」
戦闘音に引き寄せられたのか木々をなぎ倒しつつ現れたのはオーガだった。
「オーガだと?なんでこんなところに・・・」
「言ってても仕方ないだろ。逃げるのは難しいから倒すぞ」
「了解だ」
サノスは剣を構えてオーガに突撃する。
今使っている剣では心もとないが強化してやればなんとかなるだろう。
サノスは剣に魔力を流し強化する。
「ふぅ。今の状態だともって5分ぐらいか」
あまり余裕があるとは言えない。
オーガとは怪力も脅威だがその生命力も侮れないのだ。
なるべく剣に負担をかけないようにしつつそれでもサノスは剣を振るう。
フェイントを仕掛けそれにオーガが釣られたところで首を狙う。
首を完全に切断することはできなかったがそれでも半分以上は食い込んだ。
致命傷である。
だが、生命力の高いオーガは諦めず腕を振るってくる。
サノスは剣を手放し距離をとった。
しばらく暴れまわっていたオーガだが、ガクリと体を揺らすとそのまま絶命した。
「ふぅ。なんとかなったな」
サノスは自分の剣を回収する。
「オーガがこんな場所にいることを考えると奥の方で何かあったのは間違いないな」
「どうする?」
「複数のオーガに出会ったら危険だ。引き上げるぞ」
「俺達じゃ力不足だな」
「それがわかっているだけお前達は才能があるぞ」
「そうか?」
「冒険者ってのは時に冒険することも大事だが、引き際の方がもっと大切だ」
無謀な状況に挑む者もいるがそのほとんどの者が命を落とす。
生きていれば何度でもチャレンジはできる。
冒険者にとって一番大事なことは生還し続けることなのだ。
「とにかく戻るぞ」
サノス達は森を出るために来た道を引き返す。
その間もゴブリンやスモールウルフといった魔物と遭遇し続けた。
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