文明を創れ!平地サバイバル!
沼津平成
第一章 初めての「創造」
第1話 【転生すると神になっていた。】
ドン! という鈍い衝突音がまだ体内に残っていた。腹に響く花火のような痛みを手で抑えながら、俺は歩いていた。
体を見渡す。二十代後半の、若者くらいだろうか。ここから転生することもあり得るらしい。逞しい体を、どう使うかだ。
痣がいくつもできていた。少し出血している。かさぶたや、出血の痕も体に残っていた。
眠っていたとき、どれほど痛かったろう——空から草地に落とされる怖さは、こんなに酷いのか。
そういえば空から落とされた記憶が蘇ってきた。林を突き破って、草地に叩き落とされた。鈍い衝突音が、なぜ残っているのかわかった。
あんなトラウマ、眠っていても記憶に残るに違いない。
自分なりに納得させて、俺は歩き出した。
*
手をしげしげと眺めているうちに、手に紫色の光が灯った。文字らしきものが見えた。一瞬で光は消えた。
うずくまっていた俺はゆっくりと歩き出しながら、その【声】を聞き取った。
「あなたは、この星の主だ。この星には、あなたのようなヒト種はあなたの他に生息しておらず、獣ふくめ動物がたくさんいるであろう。それを生き抜いて、はじめてあなたはこの星の主なのだ。
あなたは文明を創り、穏やかに整える初代の神の役割を担ってもらいたい。国を整える制度は自由だが、必ずしも星が壊れるということはないようにしてほしい。
……今まで、そこを誤って長い歴史のうちに壊れた美しい星がいくつもあったからな」
男とも女ともつかない、低い声だった。憤りは感じず、どちらかといえば穏やかな声だった。要するに、俺が——神様になればいい、と?
では、あの声の主は一旦なんなのだろう。俺をこの星に転生させたものだろうか。言葉を喋っているし、アリとかではなさそうだ。
このとき、俺にもう一つの使命が宿った。
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