第2話
「涼介さーん、起きてくださーい」
うーん...あと5分...
「早く起きやがれくださーい」
バチコーンという音とともに頭に衝撃が走る。うめきながら目を開けるとそこにはハリセンを持った女神がいた。そう、女神である。
神々しい金髪、青い瞳、古代ギリシャ風の服を纏い、月桂樹の冠を頭につけている。じっくり観察していると、ふと豊満な胸に目が行ってしまう。
「寝ぼけてるならもう一発いっときましょうか?」
「待て、話せばわかる」
「問答無用♡」
有無を言わさず追撃が入る。嬉々として人を殴る女神がいるわけないので目の前の女性は女神ではなく悪魔である可能性が高い。
「む、何か失礼な事を考えていませんか?」
「いいえ全く考えてません」
もう一度ハリセンを受けるのは嫌なので気になっていた事を聞いてみる事にした。
「ここはどこで、あなたは誰ですか?」
「ここはあなた方があの世と呼ぶところです。そして私は女神です、平伏しなさい」
おかしいな女神のはずがないよな今のところ悪魔的な行動しかしてないんだがこの悪魔、死んでも崇めたくない。ところであの世?俺死んだって事?
「あなたの世界の名前は『男が9割死んで生き残った1割の男がハーレムを作ってあっはん♡うっふん♡する世界』でした、残念ですが最初から死ぬ事が決まっていたため私には止める事ができませんでした」
「なんて理不尽な死なんだ悲しくなってきた」
「そこで!哀れな子羊を救済しようと私が受け持つ世界へとご招待させて頂きました!」
ファンファーレが流れ、いつの間にか背後に現れたくす玉から『祝!救済!』の文字が現れた。人が死んでいるんだから不謹慎すぎると思う。
「さて、若くして亡くなったあなたに第二の人生を与えたいと思います。まずはこちらをどうぞ」
そう言って差し出されたのは新井式回転抽選器。ガラガラ回すと中から球が出てきて景品が貰えるあれである。
「あなたには次の世界で特別な力を与えたいと思います。それで俺TUEEEEEしてハーレムを築いてください!」
ほう、それはありがたい話だ。どんな力が手に入るのかな、時間停止とか使い勝手が良さそうで是非欲しいのだが。
そう思いながらガラガラを回して球を出す。
「どれどれ、あなたに与えられる物とは何でしょうか〜?」
球から眩い光が出てそこに現れたのは──
小学生くらいのちっちゃな女の子だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます