ぼんぼり

6 邪行（事件未成年被害者遺族を支えるボランティアの会「ゆきむし」代表如角 鳴世（しくすみ めいせい）視点）

　一月（いちがつ）一日（ついたち）。

　深町邸（ふかまちてい）。

　この二（に）階（かい）建（だ）ての一軒（いっけん）家（や）の正面（しょうめん）玄関（げんかん）に、おかめの顔（かお）のついた正月（しょうがつ）飾（かざ）りが飾られなくなって、もう十五（じゅうご）年（ねん）になるだろう。

　カーポートと正面玄関前（まえ）には、役員（やくいん）メンバーの車（くるま）六台（ろくだい）が停車（ていしゃ）している。

　新（しん）年会（かい）ではない。

　今（こん）年度（ど）の活動報告（かつどうほうこく）書（しょ）や事務（じむ）関係（かんけい）の仕事（ひごと）が年明（としあ）け元日（がんじつ）からやらねばならない。

　しかしながら。

　ご近所（きんじょ）がものすごく理解（りかい）があって、冬（ふゆ）場（ば）はみかんや切（き）り餅（もち）、煮（に）物（もの）なんかを差（さ）し入（い）れしてくれる。

　おかげで、食（た）べることと小（しょう）休憩（きゅうけい）を挟（はさ）むことは忘（わす）れていない。

　深町家（け）ご遺族（いぞく）にあたるおじいさん、おばあさんから、この家（いえ）の管理（かんり）・定期（ていき）的（てき）な掃除（そうじ）を条件（じょうけん）に。事件（けん）未（み）成（せい）年被害者（ひがいしゃ）遺族を支（ささ）えるボランティアの会（かい）「ゆきむし」に、月額（げつがく）一万円（いちまんえん）で貸（か）し出（だ）されている。

　年間（かん）十（じゅう）二（に）万円（まんえん）の家賃（やちん）。

　お風呂（ふろ）は使（つか）わないが。台所（だいどころ）・洗面台（せんめんだい）・トイレ・洗濯（せんたく）機（き）などの水回（みずまわ）り。それから、給湯（きゅうとう）。照明（しょうめい）・電化（でんか）製品（せいひん）の電気（き）。そういった光熱（こうねつ）費（ひ）。

　事務用品（ようひん）。

　取材（しゅざい）対応（たいおう）。

　半年（はんとし）に一度（いちど）の事件未成年被害者遺族交流（こうりゅう）会。五月と十月に行（おこな）っているイベントは深町邸から飛（と）び出（だ）して、風原中央（ちゅうおう）駅前（えきまえ）の貸（かし）会議室（ぎしつ）を有料（ゆうりょう）で利用（りよう）している。

　また、弁護（べんご）士（し）資格（しかく）は無いが、出来（でき）る範囲（はんい）で司（し）法（ほう）とのつながり支援（しえん）をしている。遺族が地方（ちほう）から裁判所（さいばんしょ）まで出向（でむ）く交通（こうつう）費（ひ）支援・宿泊（しゅくはく）支援だ。

　風原市（し）には、家庭（かてい）裁判所・地方裁判所・高等（こうとう）裁判所があるので。

　深町邸は被害遺族側（がわ）の代理（だいり）人（にん）弁護士との打（う）ち合（あ）わせの場（ば）所としても使（つか）っていただくことがある。

　ただ、深町邸は殺害（さつがい）事件の関係（かんけい）場所なので、ここには宿泊することは出来ない。

　遺族が病院（びょういん）へ行くほどではないが、急（きゅう）な体調（たいちょう）不良（ふりょう）で休（やす）める場所が欲（ほ）しいとき。

　毎回（まいかい）、ホテルにチェックインするのも大変（たいへん）だ。そういうときは、メンバーの家の客間（きゃくま）で横（よこ）になったり、泊（とま）ってもらったりすることもある。

「寄付（きふ）金（きん）」。

　遺族の「辛（つら）いけど誰（だれ）にも頼（たよ）れない状況（じょうきょう）へ手（て）を差（さ）し伸（の）べる」。

　さまざまな「地味（じみ）」で「おせっかい」な活動（かつどう）ばかり。

「殺（ころ）された娘（むすめ）が返（かえ）って来（く）る訳（わけ）でも無いのに」なんて、意地（いじ）悪（わる）なことを言（い）われることもある。

　そして、事件被害は年末（まつ）年始（し）だろうが発生（はっせい）している。

　風原警察（けいさつ）の刑事（けいじ）である里（さと）見（み）さんの弟（おとうと）さんの娘（むすめ）さん。年末、里見さんの姪（めい）ごさんが誹謗（ひぼう）中傷（ちゅうしょう）の被害に遭（あ）っていたのだ。

　犯人（はんにん）は、里見さんの息子（むすこ）さんと同（おな）じ大学（だいがく）に通（かよ）う、同級（どうきゅう）生だった。

　ただ、里見さんの姪ごさんと犯人は面識（めんしき）が無かった。

　そう、面識が無くても、サイバー犯罪（ざい）の加（か）害者・被害者になってしまう。

　一階（いっかい）の応接（おうせつ）間には、最初（しょ）、里見さんと私（わたし）だけだったが。ほぼ毎日（まいにち）何も無くてもカーテンを開（あ）けにやって来る雪（ゆき）子さんが入（はい）って来た。

　オーブントースターで不（ぶ）格好（かっこう）に膨（ふく）らみ切（き）ったきつね色（いろ）の切（き）り餅（もち）が入ったぜんざいと、お茶（ちゃ）を持（も）って来てくれたようだ。

「『サイバー』なんて、シニアにはちょっとわからないことだらけでしたけれど。

　お役（やく）に立（た）てたようでうれしいですわ」と雪子さんは肩（かた）にかかったシルバーヘアを揺（ゆ）らしながら、ぜんざいの入ったお椀（わん）とお箸（はし）をテーブルの上（うえ）にセッティングしてくれる。

　この部屋（へや）は、本来（ほんらい）、今（いま）ご存命（ぞんめい）の深町家祖父母（そふぼ）が「死んだら仏壇（ぶつだん）を引（ひ）き継（つ）いで、ここで供（く）養（よう）してもらいたい」と頼（たの）んでいた洋風（ようふう）の部屋。

　畳（たたみ）ではなく、フローリングの床（ゆか）。

　押（お）し入（い）れはあって、敷（しき）布（ぶ）団（とん）が何組（なんくみ）もしまってあった。

　今（いま）は、床に玩具（おもちゃ）一（ひと）つ転（ころ）がっていない。

　あるのは、雪子さんが寄付してくれたソファーとテーブル。息（むす）子さんの関係（かんけい）で、安（やす）く手（て）に入った未（み）使用（しよう）品。

「響（きょう）也（や）君（くん）の同期（き）生が事件にとても興味（きょうみ）があった。それは間違（まちが）いありません。

　そして、事件に感情（かんじょう）移入（いにゅう）し過（す）ぎて。深町　雫（しずく）ちゃん一家（いっか）の『支援者』として。

　先日（せんじつ）の『報道（ほうどう）特集（とくしゅう）』を偏向（へんこう）報道だと関係各（かく）所に抗議（こうぎ）文（ぶん）を送（おく）っていました」

「特（とく）に、元（もと）L（エル）S（エス）B（ビー）アナウンサー、現（げん）N（エヌ）C（シー）Bアナウンサーの奥住（おくずみ）さんを許（ゆる）せなかったのでしょう。

　彼女（かのじょ）の息子さんと。

　彼（かれ）と交際（こうさい）していた女性（じょせい）

　現在（げんざい）交際中の女性。

　故意（こい）に彼等（ら）の顔（かお）写真（じゃしん）を晒（さら）してしまった。

　この言葉（ことば）を添（そ）えて」

　Lake（レイク） Side（サイド） Broadcast（ブロードキャスト）（湖（こ）畔（はん）放送（ほうそう））から、Nippon（ニッポン） Center（センター） Broadcast（ブロードキャスト）（日本（にっぽん）中央（ちゅうおう）放送）へ。

　あの事件を踏（ふ）み台（だい）にして出（しゅっ）世（せ）を繰（く）り返（かえ）す、悪（あく）女奥住。

　ネットの世界（せかい）では、奥住アナを敵（てき）視（し）する声（こえ）も多（おお）い。

　民放（みんぽう）各局（かっきょく）の中で、日本（にっぽん）国民（こくみん）の認知（にんち）度が圧倒的（あっとうてき）に高（たか）いのは、奥住アナなのだけれど……。

「『殺人鬼（じんき）キャンドルの共犯（きょうはん）奥住を殺（ころ）せ』……削除（さくじょ）は？」

「新聞・テレビ・ニュースサイト・動画（どうが）アプリでも、削除済（ず）み。

　一般（いっぱん）でも、『過激（かげき）なメッセージ』としてしか受（う）け取（と）られていませんね。

『上級（じょうきゅう）国民のお子様（さま）だからって共犯では無い。上級国民だから、わざわざ人殺（ひとごろ）しなんか重（じゅう）労働（ろうどう）はしない』という認識（にんしき）です」

「こういう噂（うわさ）潰（つぶ）しは人海（じんかい）戦術（せんじゅつ）です。

『ゆきむし』が動（うご）けば、それに協（きょう）力したがる市民もかなりいるんです。

　そして。誰かが音頭（おんど）を取（と）れば、その流（なが）れに乗（の）りたい若（わか）い子も多いんです。

　まあ、若い子は、ちょっとしたお祭（まつ）り感覚（かんかく）です。

　こうして、個（こ）人情報（ほう）暴露（ばくろ）の脅迫（きょうはく）で逮捕（たいほ）者が出たんですから。これで、落（お）ち着（つ）くと思（おも）います」

「年（とし）をまたいで、お世話（わ）になりました」

「親戚（しんせき）のお子さん。……窓（まど）花（か）ちゃん。大丈夫（だいじょうぶ）ですか？」

「……ええ。

　ただ、秋（あき）に婚約（こんやく）して、正月に両家（りょうけ）親族（しんぞく）に会（あ）うはずだったんですが。

　お相手（あいて）の男（だん）性のお母（かあ）さんから、見舞（みまい）金をいただいて。

　婚約を白（はく）紙に。

　……伯父（おじ）の私（わたし）が事件に集中（しゅうちゅう）し過（す）ぎたせいもあるんです。

　窓花ちゃんにも言われました。どうして、危険（きけん）な彼氏（し）だって教（おし）えてくれなかったんだと……」

「そんなの、わかりませんよ。

　今（いま）の時代（じだい）、いつどこで何故（なぜ）、被害者になるかわかりません」

「……私もそう思います。

　それに、窓花ちゃんは向（む）こうのお相（あい）手の家柄（いえがら）に無（む）頓着（とんちゃく）でした。

　古（ふる）い考（かんが）えでしょうが。

　やはり、家（か）格（かく）はありますから」

「親（しん）族に公務（こうむ）員はいるか。医（い）者はいるか。経営（けいえい）者はいるか。

　離（り）婚歴（れき）。

　今は、学生時代に虐（いじ）め加害をしていないか。

　成（せい）人後（ご）も、性加害をしていないかどうかも詳（くわ）しく調（しら）べるそうですよ」

　雪（ゆき）子さんに「いただきます」とお声がけして、ぜんざいがたっぷり入ったお椀（わん）に口（くち）をつけて、すする。

　ズズズズ。

　売（う）っている味（あじ）では無い。

　雪子さんのぜんざいは、「小豆（あずき）を炊（ふ）いた」というシンプルさが売りだ。

　水飴（みずあめ）を入れて、照（て）りや粘（ねば）りを出したくても。雪子さんは、小豆を信（しん）じて、ぜんざいを作（つく）るのだそうだ。

　ぜんざいを食（た）べれば食べるほど、里見さんのフレームレスの眼鏡（めがね）は真（ま）っ白（しろ）に曇（くも）る。

　そして、箸（はし）を握（にぎ）っていた手は眼鏡を外（はず）して。

　お椀を持っていた手はハンカチをつかんだ。

　ボロボロ、里見さんは泣（な）き始めた。

「皆（みんな）、良（い）い子たちでしたから。

　首（くび）が無（な）くたって、天国（てんごく）や極楽（ごくらく）浄土（じょうど）やそういう、あの世（よ）にいると思（おも）えるんです。

　でも、首が無いと。

　あの世で。

　仲間（なかま）外（はず）れになっていないか。

　あの世のきれいな水（みず）や花（はな）を見れるのか。

　あの世の美（うつく）しい音楽（おんがく）を聴（き）くことが出来るのか。

　美味しい果物（くだもの）を口（くち）に出来るのか。

　そんなことをね、考（かんが）えてしまうんです。

　だから、死んでしまったけれど。

　どうにか、失（うしな）った首を見つけてあげたいんです」

「里見さん、無理（むり）なさらないでください。

　休（やす）めるときに休みましょう。

　子を亡（な）くした親（おや）も、子が行方（ゆくえ）不（ふ）明（めい）のままの親も。一人（ひとり）の人間（にんげん）です。

　子どものために命（いのち）を捨（す）てられますよ。でも、でも。第一（だいいち）は自分が元（げん）気でいなければ、ならないんです。

　あの凶悪（きょうあく）事件は定（てい）期的に、そして大々（だいだい）的に報（ほう）じられています。

　年末になると、追悼（ついとう）式典（しきてん）のことも放送されます。

　でも、あれは報道の……プライドが傷（きず）つけられたからです。

　純粋（じゅんすい）に。

　里見さんほど、執念（しゅうねん）を燃（も）やして、事件を風（ふう）化させまいと抗（あらが）ってくださる方（かた）はいません」

　いいえいいえ。

　里見さんは、ハンカチで顔（かお）をおさえながら、首を横に振（ふ）り続（つづ）けた。

　それから。

　意を決（けっ）したように。

　泣（な）きっ面（つら）のまま、私（わたし）を見つめた。

「……如角さん。

　あの、噂（うわさ）は本当（ほんとう）ですか？

『ゆきむし』の代表（だいひょう）を辞任（じにん）する……まさか、嘘（うそ）ですよね？」

「……琥珀（こはく）が亡くなってから、私はあの子の母（はは）親と離婚しました。

　そして、今の妻（つま）と出会うことが出来ました。

　安和（あんわ）が生（う）まれたときは琥珀の生まれ変（か）わりと信じたい気持ちと。

　安和に琥珀の生（い）き死にを背負（せお）わせたくない、親（おや）心（ごころ）がありました。

　安和はもう小学校高（こう）学年になります。

　世界のどこかで生（い）きている安和を家に戻（もど）してあげたいんです。

　娘を殺人鬼に殺されました。

　そして、今、もう一人の娘（むすめ）が日本国によって隠（かく）されています。

　私は安和の証人（しょうにん）保護（ほご）プログラムの解除（かいじょ）の伺（うかが）いを、国（くに）にするつもりです。

　こんなときに大変（たいへん）かと思いますが。

　どうか、里見さん。

　お力（ちから）添（ぞ）えをよろしくお願（ねが）いします」

「そんなことをしたら、安和ちゃんが無防備（ぼうび）になります！

　今までの苦労（くろう）が水の泡（あわ）になるんですよ……あと、数（すう）年の我慢（がまん）じゃありませんか？」

「あの子とは電話（でんわ）も、手紙（てがみ）も、居（い）場所が特（とく）定される可能（かのう）性がある交流全（すべ）てが禁（きん）じられています」

「……」

　里見さんは何も知らない。

　警察官（かん）でも、ただの地方の風原市の刑事。

　国家（こっか）が動（うご）くプロジェクトの内容（ないよう）さえ知（し）らされていない。

　私たちは、ぜんざいを少（すこ）し残（のこ）してしまった。

　あと、カレースプーン一匙（ひとさじ）しか小豆は残（のこ）っていないのに。

「愚（おろ）かですね。

　冬休み中、給食（きゅうしょく）を食（た）べられない小学生が親に疎（うと）まれ、蹴（け）られ、殴（なぐ）られ、食事を与（あた）えられていないのに。

　平（へい）気に残（のこ）してしまうなんて」

　里見さんがそんな言い訳（わけ）を、呟（つぶ）いていたら。

　私のスマホに妻から着信（ちゃくしん）が入った。

「どうしたの？」

　＜安和ちゃんから、安和ちゃんから、年賀状が届（とど）いたの！＞

「悪戯（いたずら）じゃないか？

　昨（さく）年の年賀（が）状（じょう）も一面（いちめん）真（ま）っ黒（くろ）で。警察が調（しら）べたら、大学生の悪戯だったじゃないか。

　印刷（いんさつ）に詳（くわ）しい人にも調（しら）べてもらったが、黒いインクの下（した）は、無記入（きにゅう）だった。送（おく）り主（ぬし）も無記名（めい）で。

　それでも。

　我（わ）が家（や）の郵便（ゆうびん）受（う）けに直接（ちょくせつ）投函（とうかん）した大学生の防（ぼう）犯カメラ映像（えいぞう）が決（き）め手になった。

　きっと、今年（ことし）のも悪戯だよ」

　＜そんなこと無い。

『お父（とう）さん、助（たす）けて！迎（むか）えに来て！』って書いてあるの！＞

「今、里見さんとお話ししているんだ。家に帰ってから、ゆっくり話（はな）そう」

　里見さんは身（み）を乗（の）り出して、「どうして、今、年賀状を届（とど）いていることを相談（そうだん）してくれないんですか？」と心配（しんぱい）されてしまった。

　言える訳（わけ）がない。

　そんなこと、言えない。

　どうせ、偽物（にせもの）の。

　悪戯の。

　ゴミなのだから。

　一度客（きゃく）間から離（はな）れていた雪子さんはススッと現（あらわ）れて。

　淡（あわ）い黄（き）緑（みどり）色（いろ）のカーテンを閉（し）め始（はじ）めた。

「雪が降（ふ）り出して、暗（くら）くなってきました。天井（てんじょう）の電気を点（つ）けますね」

　雪がかなり積（つ）もって来たのだろう。

　そろそろ、里見さんが帰るタイミングだ。

　だが、里見さんは「やっぱり、ぜんざいのおかわり、よろしいですか？」と雪子さんにお椀を手渡（わた）した。

　安心したのだろう。

「キャンドル」と名乗（なの）った殺人鬼が休眠（みん）中と考（かんが）えられている今。

　姪ごさんの安全（あんぜん）はもう十分（じゅうぶん）、担保（たんぽ）されたのだから。

　だが、里見さんは知らない。

　雪子さんは「切り餅の数（かず）を指（し）定しない＝お椀に四個（よんこ）切り餅を入れて来る」のだ。

　数時間前は。里見さんの来訪（らいほう）を知って、一応（いちおう）雪子さんには「切り餅二個ずつで御（お）願（ねがい）いします」と伝（つた）えた。

　あのときの雪子さんの悲（かな）しい顔（かお）。

　シニアはどうして、こうも、年下（としした）に、いっぱい食べさせたがるのだろう。