第29話 再掲載 バーベキュー
「…っていう事があったんだよ。榊原さん、何か知っているでしょう。」
「五味君か、懐かしいな。真面目にまだ死んでいなかったんだな。医者の私の言うことを聞かないから早死にしそうなのに。」
「二人はどういう関係なの?」
「古い仕事仲間だよ。悪い奴だが信用は出来る。」
「他には?あいつの目的とか、いろいろ。」
「…一応ここは塾だ。何でも答えを求めるのではなく、自分で探す事も大切だぞ。」
桑川さんが部屋に来た。どうやら掃除が終わったみたいだ。時間がたった結婚は雑巾を黒く染める。
「大会終わった後の予定がてんこ盛りですねぇ。火事の件に、柚希君の能力、そして五味さんとやらのとこ。」
「あ、やっぱり行かなきゃダメ?」
「まあまずは優勝しなきゃですねぇ。結局柚希君の腕を持って行った人も解らなかった訳ですし。」
「明日は十時から決勝トーナメントがある。十時までに受付を済ませた参加者のみでトーナメントを行うらしい。前回大会の参加者は40人ほどだ。」
「筋肉と襲撃してきた奴はやっぱ出るのかな。」
「その襲撃してきた奴について情報がある。どうやら奴らは《八司御会》という反社会組織で、金を集めに集めている。噂ではそのトップは軍のかなり上にいるらしい。」
「今回の賞金そんなにある?」
「いやいや、やっぱピンクダイヤモンドっしょ!100とんで1000万いく可能性すらあるよ?」
「しかし、あの人確か能力や特性を無効化していましたよねぇ。どう対策しますかぁ?」
全員矢花のほうを見る。
「この中で能力や特性を持ってないのは矢花だけだ。」
「そうでしたねぇ。善処します。しかしトーナメントなら私に当たらない可能性もあるのでは?」
「そればっかりはどうしようもないな。さて、そろそろ夕飯にしよう。」
「今夜は前夜祭という事で!焼肉を用意したぞ!高級な奴を丸々一人買ってきた。あ、リノ君はどんまい。だって儂肉食べたいもの。」
本当に榊原は人が悪い。
「はあ。リノ、焼肉は匂いが籠もるから外で食う。俺が用意するから中で食え。」
桑川さんはいつも通りだな。
「で、榊原さん。なぜ敢えてリノを外したのですか?」
「え?肉食べられないからじゃないの?」
「さっきも言ったか、自分で探して欲しいんだ。けどリノ以外はあんまり意味がないから。重要なことだし。」
「ふぉれってなんなんれすふぁ?」
「龍さん飲み込んでから喋って。」
「五味と私はね、リノの親を知っているんだよ。ひよっ子だった私と五味の師匠的な存在だね。だから、私はリノのことはずっと知ってる。」
「そんな重要そうなこと今話します?」
「まあまあ。六十五年前の世界中で起こった正体不明の災害とそれに伴う戦争を知ってるね?」
「確かそこから人は能力を使うようになったんでしたっけ。」
「そう。本当にひどくてね。私達のような学生すら軍に属して働いた。リノの親はその時の上司だ。」
「待ってください。時系列がおかしくないですか?榊原さんが六十五年前学生だったならリノの親は何歳だったんですか?」
「そう。それが重要なんだ。ちょっと長い話になるから肉を食べるなら今のうちだよ。」
「あ!榊原さんもう腕一本平らげてる!」
「焼肉は戦場ですからねぇ。」
僕の世界支配計画 @tokinashifuratto
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