1回戦 2駅目 緑が矢~5駅目 すすが台

第2話

エフ路線十二駅


1駅目 鈴木西町(グレートウォール1丁目)

2駅目 緑が矢(グレートバッド総合病院前)


――電話を聞いているテツの体が揺らいだ。


3駅目 新田スタジアム(スタジアム・ニツタ前)

4駅目 アラバキ町田(ニック県庁前)

5駅目 すすが台(スズガ―・ポリエチレン・ビル前)


「ここまでだ」


 声の主はボイスチェンジャーを使って話しかけている。電話が切られたあと、テツはまた眠っていた。


                  *


 テツは起きると自分が紙を手にしていることに気づいた。そして、紙を見る。トーナメント表のようなものが書かれていた。

 「予選 結果通告」という題の表だった。

 テツはそれを声に出して読み取った。


「予選 結果通告


3駅目 テツ対ヒト 勝者エスケイプ・キリュウス(テツ) 14秒8

5駅目 ハル対フト 勝者フト・ニューバーグ 21秒5

7駅目 パグ対ハト 勝者パグ 67秒3

8駅目 こりどう対J吉 勝者J吉 114秒2


以上。」


 最後の数字は決着がつくまでの時間だ、とテツは思った。最終戦はどちらも大事な仲間だった。そう思うと自然と涙が込み上げてきた。

 敗者復活戦で、せめてJ吉は勝ち、5位にはなってほしいな――そう強く願った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アラバキ写真撮影会! 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画