アラバキ写真撮影会!
沼津平成
第1話
テツたちは、なぜか、起きると駅にいた。
「え…………………………? これどういうこと」明らかに動揺しているテツとヒト。2人は顔を見合わせ、一風変わった取扱説明書を読み始めた。
【エフ路線内の4駅のどこかに2人ずつ参加者を配置した。参加者はカメラで撮影されると脱落する。勝者には次の戦いの区画を宣言する。その区画内であれば移動可能。最下位から順に賞金は0、十万、二十万、三十万、五十万、百万、二百万、一千万――もちろんすべて、円だ。アラバキドルじゃない。では、せいぜい楽しんでくれ。】
「要するにカメラを用いたサバイバル・ゲームで、負けたら終わりってことか」
エフ路線十二駅中、ファースト・バトルの区画は全区画だ、と書かれていた。三駅目、新田スタジアム前。先に読み終えたのはテツだった。
テツはこっそりと、まだ取扱説明書を読んでいる棒人間の背中からカメラを構えようとして、考えを変えた。
「棒人間、予定が変わってしまったけどさ、撮影会やらない?」
ヒトが顔を上げて、親指を突き出す。もともと八名は撮影会に出ると知らされていた。真理を突き止めたものは誰もいない。しかし一番近かったのはおそらくテツだろう。おそらく、これはある種のドッキリなのだ。
「いいね! テツからでいいよ!」
――いったいこやつ、トリセツどこまで読んでた……?
動揺しながらも、テツはシャッターを切った。
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