第15話:こんな形で仲直り?。
トマトジュース一本で、こんな形で、こんなにあっけなくケチャップとの
関係が終わるとは 俺は思わなかった。
まあ、当選するとは思ってなかった異星人との交流企画だし・・・当たらな
かったんだと思えば諦めもつくかな・・・。
諦めはつかないんだけど・・・。
まあ、ケチャップとしてはスライモよりバンパイアとしてのプライドが許せなか
ったんだろう。
血の代わりがトマトジュースって、俺だって怒るかもな。
だけどさ、やっぱり血は吸われたくないだろ?
だけど血、吸われた俺はバンパイアにはならないのか?
そんなことを思ってた。
そしたら俺の部屋のドアを誰かノックしたってより・・・ケチャップしかいない。
「ケイスケ・・・入っていい?」
「ん?ケチャップ?・・・ 」
「入っていい?」
「いいけど・・・」
俺は部屋のドアを開けてやった。
そしたらケチャップが泣きべそをかきながら立っていた。
「なになに・・・どうした?・・なんで泣いてる?」
「まだトマトジュースにこだわってるのか?ショック受けてるのか?」
「俺のやったことって、そんなにひどいことだったのか?」
「そうじゃなくて・・・」
「いきなりトマトジュースなんか出てきたから、ちょっとムキになっただけ」
「本当言うと怒ってないし・・・私・・・やぱりケイスケと別れたくない」
そう言うとケチャップは絨毯の上にヘタレこんだ。
「だってケイスケのこと好きなんだもん・・・別れられないよ」
「俺のこと許せないんだろ・・・」
「ケイスケ・・・」
「俺は、はなっから別れたい訳じゃなかったから、別れたくないって言って
くれて嬉しいけど・・・ほんとにいいのか・・・許してもらえるのかな・・・
ヨリを戻して後悔しないか?」
「後悔もなにもケイスケと別れちゃったほうが後悔するの分かってるから」
「俺の気持ちは決まってるからな・・・ケチャップが別れないって言うなら
今まで通り・・・俺の彼女でいてほしい 」
「私から、おしまいって言っときながら・・・別れたくないってわがまま言って
ごめんね 」
「いいんだよ・・・まあ、ケチャップがいいって言うなら・・・」
「じゃ〜トマトジュースの件は・・・・」
「許す・・・トマトジュースも飲んでみる・・・」
「無理しなくてもいいよ、嫌なら俺が飲むからな」
「ごめんね・・・ケイスケ」
「だから・・・謝らなくていいって」
「ほら・・・泣いてないで・・・おいで・・・」
俺はケチャップを引き寄せて優しく抱きしめた。
「いいんだ・・・大丈夫だよ」
「ケイスケ・・・抱いて・・・」
「ん?・・・抱いてるじゃん」
「そういう意味じゃなくて・・・エッチ・・・」
「え?・・・あ、いいけど・・・でもいいのかな、いざとなるとさ」
「ね・・・いいよね・・・私、ケイスケと仲直りしたいから・・・」
「分かった・・・仲直りだ・・・ケチャップはどこにも行かせない」
「俺が愛してるのは君だけだよ・・・」
終わるって思ってたのに、こんな形でケチャップとエッチすることに
なるとは思わなかった。
彼女がスライムだって意識はこのさい完全に封印しよう。
この子は俺の理想の彼女、それでいい。
つづく。
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