第11話:ケチャップの糸切り歯。

「あのさ・・・真面目な話なんだけど・・・週一で俺の血を吸ってくれって

言ったけど・・・そうするとこの首の傷口はずっと塞がらないままなん

だよな・・・ それって、よくなくないか?」

「傷口からバイ菌が入って化膿するとか・・・」


「そうだね、傷口は塞がらないね・・なるべく同じ箇所から血を吸うから・・・

他に穴、開けないようにするから・・・ 」

「けど、化膿はしないよ・・・私の唾液は殺菌作用あるから・・・」

「なんでそんなこと分かるんだよ・・・バンパイアに偽のキャラだろ?」


「いいの、そうしとけば・・・」


「いい加減なんだな」

「ってか、血、吸うって・・・それって俺が寝てる時じゃないとダメなのか?」


「そんなことないよ、起きてる時でも大丈夫だよ」

「最初の時はケイスケに内緒だったから・・・それで寝込みを襲ったの」


「それにしても血、吸われてるのによく俺起きなかったな・・・」


「寝る前にスイーツ食べたでしょ・・・あの時飲んだオレンジ・・・ケイスケの

だけ睡眠薬を入れといたの・・・ だから熟睡してたんだよ 」


「そうなのか・・・油断してたわ・・・って睡眠薬なんかいつ用意してたんだよ」

「ったく油断も隙もない女だな」

「なんで、こんな企画に応募なんかしたんだろ?俺・・・」


「落ち込むことないってば・・・友好関係結べてるじゃん」

「現に私たち、もう恋人同士でしょ・・・」


「待て、こら・・・俺たちいつ恋人同士になったんだよ」


「私がケイスケの血を吸っちゃった時から、ケイスケは私の彼氏になったの」


「そんな勝手な・・・」


「イヤなの?・・・私が彼女ってイヤなの?」


「ん〜・・・そう言われると・・・イヤって答えは出てこないな」

「まあ、こんな可愛くてエロくて、めちゃヤラしい女なかなか手に入らない

だろうからな」

「ところで、ケチャップ・・・イーしてみ?・・・クチを横に開いて・・・

イーって」


「なんで?」


「いいから、イーしてみ?」


そう言うとケチャップは、俺の言う通りクチを横にして


「イーーーーーーー」って言った。


「あ〜、てっきり糸切り歯、トガってるのかと思ってたら普通だな」


「あたり前でしょ・・・トガったままだったら私の口の中血だらけに

なっちゃうでしょ・・・そのくらい分かんない?」

「普段は、普通の歯だよ・・・血、吸う時だけ糸切り歯が尖って伸びるように

なってるの」


「元スライモのくせにもう立派なバンパイヤだな」

「合理的にできてるんだ・・・でも虫歯にはなれないよな・・・ぶっ刺す歯が

ダメになったら血、吸えなくなっちゃうだろ?」


「大丈夫だよ、もしそんなことになっても直接飲めばいいだけの話だもん・・・」


「あ、そうか・・・その手があったか・・・俺、バカだな」

「吸うことばかり考えてたけど、飲むって手があるな・・・なるほど・・・」


そうか飲むのか・・・飲む?・・・。

そこで俺は閃いた・・・これはナイスアイデアだと思った。


つづく。



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