第16話

「合コン行ったのか……俺達ってものがありながら」

臨は真っ直ぐに菜奈の顔を見て言った。

「ああ、だってラジオでも合コンの話題リスナーから結構来るのよ。それで話のネタに」

「交際申し込まれたりしなかったか?」

臨は不安顔である。

「そんなすぐに交際申し込まれてもその気にならないよ。一目惚れってヤツ?よく分からないし」

今日は客としてファミレスに来ていた。

向かいにはいつもの通り悠真と臨がいる。

「恋ってみんな簡単に口にするけど、何処に落ちているんだろうな…… 」

悠真が頬杖をついて呟いた。

「あ、今のフレーズ良かったな。書き留め

とこ」

悠真はスマホを取り出してメモに打ち込み始めた。

恋は此処にありますよ……

菜奈は一生懸命に打ち込んでいる悠真の俯き加減の顔を見ていた。

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