第7話

「お待たせ致しました。ご注文をお伺いします」

可愛い緑のベストにスカート姿の菜奈が客の注文を取りにやって来た。

「ハンバーグオムライス」

「私はペペロンチーノ」

客の注文を次々に、電子カードに打ち込んで行く。

「ハンバーグオムライスとペペロンチーノですね。ありがとうございます。少々お待ち下さいませ」

菜奈はカウンターの中に入って行った。

このレストランでは高校生は午後9時までのバイトである。

そこから帰り道に丁度歌を歌っている2人を見るのである。

朱音の歌を聴いていると、バイトの疲れも消えて行く。

菜奈はバイト先で、温かいコーヒーを貰っていた。

2人に上げるためである。


「へえー。日頃はチェッカー7でバイトしてるんだ。頑張るなー」

チェッカー7とはファミリーレストランの事である。

「バイト楽しいから」

菜奈はサラッと言った。

今日も臨と悠真は熱いコーヒーを飲んでいた。

「俺らも最近歌う事が益々楽しくてさ」

臨が照れ臭そうに笑った。

「菜奈ちゃんに会えるから」

悠真は黙ってコーヒーを飲んでいた。


そうして3年の時が流れた。

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