第14話

電車に乗って海を見に行った。

穏やかな海岸沿いを有紀は智也と歩いていた。

智也が不器用に手を差し出して来る。

2人は手を繋いだ。

ただそれだけの事なのにドキドキする。

冬晴れの午前、人の姿もなく波も穏やかだっ

た。


有紀と智也は浜辺に腰を下ろして、海を見つめていた。

その時、智也が持っていたボディバッグからクッキーの袋を取り出した。

「食べて」

「これも作ったの?」

アーモンドクッキーである。

「うん」

「ありがとう」

有紀は早速袋からクッキーを摘んだ。

「美味しい!」

「それは良かった」

有紀は持っていた袋から、お弁当箱を取り出した。

中に入っているのはサンドイッチである。

それぞれ卵、ツナとキャベツ、ハムとチーズが入っていた。

「美味そう。頂きます」

智也が手を伸ばした。

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