第10話
「紗来。遅れてゴメン。誕生日おめでとう」
それから3日後の放課後だった。
誰もいない屋上での事である。
「もうケーキ貰ったよ」
紗来がそう言うと、大河は一瞬キョトンとし
た。
「あ、あれとは別だよ」
「ありがとう」
紗来は緑のリボンが掛かった袋を開けた。
中にはしろくまのぬいぐるみが入っている。
「わあ、ありがとう!可愛い」
紗来の目が喜びで輝いている。
「気に入ってくれて良かった」
大河はホッと息を吐き出したのである。
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