第11話

「お前、まさか本気にしてないよな?」

向井千早が言った。

自分のマンションのリビングに恋人と一緒にいた。

「まさか」

河添奈美は作り笑いを浮かべた。

「ならいいけど」

「でも悪い気はしてないでしょ。結構可愛い子だったし」

奈美の話を聞いて千早は思わず笑った。

「15歳の女の子だよ。悪気があったわけじゃない」

「…… 」

「この話はもう終わり」

奈美はソファーに座っている千早に抱きついて来た。

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