成り行き

天川裕司

成り行き

タイトル:成り行き


「今日、ウチくる?」

男「いや今日はやめとくよ。帰って用事あるんだ」

「そ♪じゃあまた今度ね」


2人は友達。

夜遅くなったから

男は女をアパートまで送りそのまま帰宅。

…したかのように見えた。


(事件)


警察1「部屋に帰って少ししてやられたか」

警察2「そのようですね」


彼女は部屋に帰ってコーヒーを淹れようとした。

そして飲もうとした時、

何者かが部屋に侵入した模様で

そこで彼女はやられた。


コーヒーは辺りに散乱しており、

カップは床に落ちて割れていた。

そして彼女の白いシャツには

コーヒーのシミが派手に付いていた。


警察2「犯人ともみ合いにでもなったんでしょうか」

警察1「あるいはな」


玄関のドアが開いていた。

鍵をかけた様子はなく

そのまま彼女は部屋に入り、そこで殺された。


鑑識「警部、ちょっとこれ見てください」

ベランダの手すりのところにロープの痕?


警察1「…犯人はベランダから侵入した形跡もあるか」

警察2「なんにしても動機ですね」

警察1「ああ。関係者を当たってみよう」


(翌日)


男「な、なんで僕がそんなことを!」

警察2「あなたは被害者の女性と最後に会った人物です。そうなるとお話を聞かないわけには」


男「だ、だからって!僕は何もしてませんよ!」

警察2「普段はどんな関係だったんです?」


男は根掘り葉掘り聞かれた。

しかし被害者女性の周りに

怪しい人物が現れない限り、

状況証拠から男が疑われるのは無理もない。


男「ちょっと待ってくださいよ!」

とりあえず男は参考人となる。


しかし事件は新たな展開へ。


男「ほらこれです!」


警察1「…なるほど」


男はあれから、彼女から送られてきた動画を見せた。

そこには彼女が写っており、

「これ見て〜〜汗やっちゃったぁw」


淹れ立てのコーヒーを誤って手から滑らせ、

カップごと床に落としてしまった彼女。

その時にコーヒーのシミがシャツに付いたのだ。


つまりこのシミが事件解決のヒント。

シミが付くまで彼女は生きていた。


その様子を動画で送られてきた彼だから、

彼女と彼の間にはそれなりの距離がある。


彼女にはストーカーがついていた。

そのストーカーは彼とは別人。

隠れながら上手く彼女を追っていたため

警察がその存在を

突き止めるまでそれなりの時間がかかる。


警察1「…ベランダの窓から入り鍵をかけ、クローゼットかどこかに隠れて待っていた」

警察1「そして彼女が帰ってきてコーヒーを飲もうと手に持ち、それを手から滑らせてシャツにシミがついた後、ヤツは出てきて殺害した…」


警察2「部屋のドアの鍵を開けていたのはカモフラでしょうか?」


警察1「…いずれにせよ部屋に居た奴は、相当この手の犯罪に慣れている。まぁドアから堂々と出てった事は間違いあるまい」


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=JrHr94LZ9UI

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