安全なる犯罪

天川裕司

安全なる犯罪

タイトル:安全なる犯罪


「ハァハァ…ちくしょう…!妻をこんな目に遭わせやがって…ハァハァ…エレナ…エレナァ!」


ある夜、実業家の夫・ラドルの自宅に強盗が入り、

妻のエレナが暴行された末に殺された。


ちょうどその現場に

鉢合わせするように帰ってきたラドルは、

現場を見た瞬間そこで何があったのかが分かり、

犯人に突っ掛かり、その犯人をやってしまった。


(事件捜査)


警察1「強盗の男、名前はクリフトか」

警察2「ええ。最近ムショから出てきたばかりで天涯孤独の身。家族はおらず、普段付き合ってる友達も居なかったそうです」


警察1「物取りついでにここに入り、高嶺の花を見つけたからそれで欲情してやっちまった、か」

警察2「警部、少しお言葉が。ラドルさんが見えました」


警察2「こんな時に本当に申し訳ありません。お話、少し良いでしょうか?」

ラドル「…ああ」


警察1「ラドルさん。この男に見覚えはなかったんですね?」

「…この男って、強盗に入った男のことですか?」

警察1「ええ」

「あるわけないでしょう!」

警察1「すいません、疑うつもりはないんです。ただありていの事なんで聞かなきゃならんのです」


警察2「奥様は普段、誰かに恨みを買われてたとかそのような事は?」

「なんですかあんた達!傷を掻きむしるのがあんた達の仕事なのか!?」


気が立ってるラドルは2人を追い返した。


(後日)


それから進展があった。


警察2「分かりました。ラドルの妻に関する事です」

そこでちょっと信じられない事があったのだ。


警察1「なんだと?前にも似たような事があった?」

警察2「ええ」

そして2人はもう1度ラドルのもとへ。


(ラドルの自宅)


ラドル「もうイイ加減にしてくれ!何だってんだ!」


警察1「あなたは大きなお仕事をなされているようですね?その事業のせいで帰りがいつも遅くなっていたとか」

「は?うちは貿易業です。そのぐらい当たり前でしょう」


警察2「でも奥さんの方ではそうでもなかったんでは?」

「…どういうことです?」


警察1「毎晩帰りが遅いあなたをずっと待ち続け、奥さんはこの広い家で1人寂しく暮らしていた。それはずっと前から続いていたようですね」


警察1「そしてこれまでにも同じような目に遭っていた」

「同じような目に…何のことだ?」

警察1「強盗事件ですよ。これは署のほうで確認取れました。その強盗事件の時も今回のような惨劇があったとか」

警察2「あなたの奥様、その時にも同じような目に遭われていますね」


「もうイイ!帰ってくれ!帰れ!!」


警察1「そう言う訳にもいかないんです。ここへ強盗に入った男・クリフトと、あなたは面識がありましたね?あなたの奥さんの友達から得られた情報です」

「…?」

警察2「それとこの電報記録。最近のメディアを極力使わず古いツールを使ったりして、世間の目を欺こうとでも?」


「…お前らずっとその調子を続けてろ。訴えてやる、訴えてやるぞ…!」


警察1「前に強盗に入った男と奥さんとの間に男女の関係があった。あなたの動機はここにあります」


警察1「それを知ったあなたはその同じ方法をもって、今度は奥さんを殺害し、そして口封じのためにクリフトもやった」

警察2「お1人でこれだけの犯罪を遂げようとすれば、必ずボロが出るもんです」


警察2「クリフトにわざとこの家に強盗に入らせ、奥さんを自由にして良い…あなたはそう言ってたんでしょう」

警察1「クリフトの銀行口座に10万ドルが振り込まれていました。あなたの口座から」


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=54f0GGrY2bo

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安全なる犯罪 天川裕司 @tenkawayuji

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