第30話 新しい家族が増えました!! 緊急配信

“まだかな?”

“いつも時間ピッタリじゃん”

“ドキドキ待機します!!”

“どんな子かなぁ”

“第2のブーちゃんかもよ”

“それはそれで、ここの子達の存在感が増しそうw”

“家に入るギリギリの大きい子かも”

“まぁ、スキルレベルにもよるしな”

“誰でもいいんよ、新しい家族、素敵じゃん”

“ねぇ”

“私もいつか家族になってくれる子いるかなぁ”


「あ~、あ~、皆さん、声は聞こえていますか? 映像は映っていますか?」


“あっ!! 始まる!!”

“映ってるし、声も聞こえまーす!”

“わわわっ、始まった!?”

“落ち着けよw”

“ちゃんと聞こえてるよー”

“お、今日はブーちゃん起きてるじゃんw”

“今日は家族紹介だから起きてないとw”

“え? 何!? みんな可愛い格好してる!?”

“お揃い!?”

“大事な配信だもんな”


「大丈夫みたいですね。では、皆さんこんにちは!! 【もふっとチャンネル】の拓哉です! そして俺の大切な家族の、ラビとププちゃんとブーちゃん、そしてメンバーの晴翔です!!」


“こんにちは!!”

“こんちわ~”

“皆さんこんにちは”

“今日という素晴らしい日に集まれて最高です!!”

“ほら、だから落ち着けって”

“今からそんなに興奮してたらきっと疲れるぞ?w”

“まぁ、みんな楽しみにしてたしな”


「いつもだったらこのまま、今日も魔獣のための癒しスローライフ配信、始めて行こうと思います!! と始める所なんですが。今日は朝お知らせした通り、緊急配信となります」


“分かってるから初めて!!”

“みんな準備はOKだよ”

“そうそう、前置きはその辺で”


「では……。今日は、新しい家族が増えました緊急配信を始めたいと思います!!」


“待ってました!!”

“誰だ!? 誰が家族になったんだ!!”

“可愛い子? 丸っこい子?”

“はよはよ!”


「あー、新しい家族の紹介を、先に簡単にしようと思っていたんですが。うん、やっぱり本人を先に登場させた方が良いみたいですね」


 視聴者さんの“早く”コメントが凄い。先に少し紹介してからと思っていたけど、これ以上待たせたら怒られそうだな。


 俺がみんなを呼ぶと、ラビとブーちゃんが俺の両脇に並び、そしてププちゃんは俺の頭の上に乗ってきた。クーちゃんはギリギリまで視聴者さん達に見えないように、今は俺の足元に待機してもらっている。


“やばっ、可愛い!!”

“全員お揃い!”

“新し子もかな?”

“もちろんそうでしょう!”

“わわ、本当ドキドキする”


 今日のラビ達は全員、ちょっとおめかしをしている。そう、今日はクーちゃん紹介の緊急配だからな。せっかくの発表会だ、おめかししなくちゃ。


 どんな格好か。みんなそれぞれの毛色と体の色に合わせた、バンダナと帽子をかぶっている。ププちゃん達スライムは、何でも溶かしてしまうと思われているが、ちゃんと溶かす物、溶かさない物を区別することができるから、バンダナも帽子もかぶれるんだ。


「それでは皆さん、俺達の新しい家族を紹介します。ホワイトドラゴンの赤ちゃん、名前はクーちゃんです!!」


 俺はそっとクーちゃんを抱き上げた。


“え!?”

“マジか!?”

“待て待て待て!! ドラゴン!?”

“なんか予想外過ぎる魔獣が出てきた!!”

“マジでドラゴン!?”

“キャアー!! クーちゃーん!!”

“可愛いぃぃぃ!!”

“こっち見て!! 手を振ってー!!”

“抱きしめさせてー!!”


 コメントが驚きの声で溢れる。だがそれもほんの少しだった。途中からはいつものラビ達みたいに、可愛いってコメントで溢れかえった。


“おい、お前ら!”

“ドラゴンだぞ!?”

“誰でも良いよ!! 可愛いんだから誰でも良し!!”

“どうしよう、やっぱり可愛いが増えちゃった!!”

“やばい、死ぬ……。可愛すぎて死ぬ”


「さぁ、クーちゃん、みんなにご挨拶して」


『ピュイー!!』


“きゃあぁぁぁ!!”

“ぎゃあぁぁぁ!!”

“可愛い子大好きには、誰だろうと関係なかった”

“え? これ俺達がおかしいのか?”

“いやw”

“俺達は普通だと思うけどw”

“ここではなw”

“ぎゃあぁぁぁ!! ってw”

“みんな倒れるなよw”


 まぁ、凄い盛り上がちだった。まさかここまで視聴者さんが盛り上がるとは。コメントで良かったかもしれない。ラビ達は時々、外で声をかけられることがあるから、こういった声には慣れている。とはいえ、さすがに今日の勢いで来られたら、さすがに怖がったかもしれないからな。


 俺はコメント欄が少し落ち着くのを待つ。待ちながらクーちゃんに、みんながクーちゃんに会えてとても喜んでいることや、ププちゃん達とお揃いのバンダナと帽子が、とても似合っていて可愛いと言って貰えていることなど、色々伝えてあげた。


 するとププちゃんとお揃いが、喜んでもらえた事が嬉しかったのか、ピュイピュイ歌を歌い始めたクーちゃん。それにまたコメント欄が盛り上がった。


“か、可愛い!!”

“バタンッ……”

“あ、死んだ”

“えー、何これ”

“もうこれ、死んでくれって言ってるようなもんだろう”

“クーちゃん天使……”

“お腹にダイブさせてくれ!! そして匂いを嗅がせてくれ!!”


 そして毎回現れる、独特なコメントをくれる視聴者さん。クーちゃんの歌で、これはもう当分コメントは落ち着かないなと思った俺は、そのまま進めることに。


「クーちゃんは俺達と家族になって、まだ少ししか経っていません。ですがもうずっと前から家族だったのではないかというほど、みんなとても仲良しです。な、みんな」


『きゅう!!』


『ぷぷぷ〜!!』


『にょおぉぉぉ!!』


『ピュイ〜!!』


「ここからはクーちゃんも一緒に。楽しくまったりの、癒しスローライフ配信をしていきますので。今後とも【もふっとチャンネル】を、よろしくお願いします!!」


『きゅいぃぃぃ!!』


『ぷぷぷ〜!!』


『ぬにゅおぉぉぉ!!』


『ピュイィィィ〜♪ ピュイ? ピュイィィィ!!』


「あっ!! クーちゃん待て!!」


 クーちゃんが何かを発見し、俺の膝から急に飛んでいってしまった。慌てて追いかける俺。ププちゃん達も追いかけてきて。

 クーちゃんが飛んで行ったのは、俺達が撮影で使っている道具が山積みにしてある所で。しかもよりにもよって、その山積みの1番下に置いてある物に興味を示したクーちゃん。


「クーちゃん、それについては後で教えてあげるから!! 今は触るな!!」


「待て待て!!」


 晴翔もカメラを置いて、慌ててこっちに向かって来る。だが……。ガッシャンガラガラガラッ!! 大きな音を立てて、道具がそこら中に散らばった。


“あ……”

“これはやったなw”

“www”

“すっごい音w”

“これはすぐに戻ってこれないなw”

“まぁ、ゆっくり待ちましょうやw”

“これからより楽しい配信が、見られるようになる予感w”

“クーちゃん、これからよろしくね!!”

“家族仲良く配信するんだよ”

“あっ、クーちゃん逃げてる!!”

“初回から面白配信あざーすw”

“あっ、保護者こけた!”

“www”

“お〜い、大丈夫か?w”

“本当、これからの配信が楽しみだよw”




     *・゜゚・*:.。..。.:*・'.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:*・'*:.。. .。.:*・゜゚・*


お読みいただきありがとうございます。ありぽんです。

こちらカクコンに向けて書いた作品です。

初めての現代ファンタジー、初めての配信の物語でドキドキですが、

皆様に楽しんでいただけるよう頑張りますので


『これは面白い』

『続きが気になる』

『もっともっと読みたい』

と思っていただけたら、フォロー、コメントをしていただけると嬉しいです(*^ω^*)


是非下にある星評価とレビューをお願いします。

よろしくお願いいたします・:*+.\(( °ω° ))/.:+


ブーちゃん『ぬにゅおぉぉぉ!!(よろしくな)』

ラビ『きゅう! きゅいぃぃぃ!(だから! お願いしますだよ!)』

ププちゃん『ぷっぷ〜!(おねがいちます!)』

クーちゃん『よろしくお願いします!! ププちゃんこれで良い?』

ププちゃん『ぷっ!!』

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