第17話 ププちゃんの戦闘配信?2

「は~い、ププちゃん、勝手の行こうとしないように」


「ほらラビ、よそ見してると、タク達が行っちゃうぞ」


『ブー、ブー』


「ブーちゃん、いい加減起きろよ」


『ぷぷぷ~!!』


「だから、お前は勝手に行くなって言ってるだろう!」


『きゅい?』


「ラビ、穴なんか覗いてないで、置いていかれるって言ってるだろう。それにそんな近くで覗いてたら、穴トカブに鼻を挟まれるぞ」


 シュッ!! パチンッ!!


『きゅう!?』


「ほら、だから言っただろう。挟まれてないか? まったく、お前達はダンジョン生まれなんだから、穴トカブを知らないわけないだろう」


「ラビっ!! 大丈夫か!!」


「ああ、鼻は挟まれずにすんだよ」


「はぁ、2匹とも並べ。俺はいつも何て言っている? ダンジョンの中では勝手に動くなって言ってるよな? ちゃんと俺の側にいないとダメじゃないか! いいか、ここからはしっかりと俺についてくるんだぞ」


 そう言って再び歩き始めた俺達だけど。数分後には、勝手に前に行こうとするププちゃんに、興味のある物の方へ行こうとするラビ。そして俺達が2匹を注意している時に、いびきで邪魔をするブーちゃん。


 と、いうことで、結局もう1度止まる羽目になり、最終的にププちゃんはしっかりと俺が抱え、ラビは晴翔と手を繋いで歩くことになった。


“え? ここダンジョンの中だよな?”

“小さな子達が歩いてる時みたいだw”

“ああ、そうか。保育園の子達がみんんで手を繋いで歩いたり、抱っこされて、散歩してる姿に似てるんだw”

“保育園の子達の方が、しっかりと歩いてくれてるだろうw”

“引率の保護者達は大変だw”

“まだ全然進めてないwww”

“せっかくのさっきの注意喚起は、完璧に消えたなw”


 まったくだよ! みんな勝手な行動ばっかりして。ププちゃんが、ダンジョンがとても楽しみなのは分かっているし。ラビの好奇心旺盛で何にでも興味を持ち、何にでも挑戦する事も良いことだと思う。

 ブーちゃんは……、ブーちゃんはダンジョンでいびきをかく神経の持ち主で、それは凄いと思うし。


 だけどここは一応ダンジョン内だし、配信をしているんだから、あんまりフラフラ歩く、ぐーぐー寝る、そんなダメな行動を、視聴者さんに見せないでくれよ。


 ちなみにラビが興味を示していた穴トカブは、穴に住んでいる虫の魔獣で。容姿はクワガタに似ている。普段は穴の上や周りを通った魔獣達を、クワガタのような強力な顎で挟み、餌として捕食するんだけど。


 ラビのような、自分よりもかなり大きな魔獣の場合は、自分が襲われないように、攻撃の手段としても顎を使ってきて。挟まれでもしたら大変なことになるんだ。完璧に流血するだろう。


“魔獣の保護者って大変だな”

“でも、大切な家族だ”

“俺も先月、初めて新しい家族をむかえたんだ!”

“お、おめでとう!!”

“おめ”

“おめでとうございます!!”


「おめでとうございます!! 新しい家族、素敵ですね! これから色々な事があると思います。喧嘩をする事もあるでしょう。ですが最後まで責任を持って、家族として過ごしてくださいね」


“あと、フラフラしないように教えないとなw”

“www”

“そうそう、それが大事”

“拓哉さん、そうですよね! www”

“あれ? さっき何か見たような?” 

“www”


 ええ、そうですね。大切ですね。


 俺はコメントを見なかった事にして、洞窟の中をどんどん進んで行った。そしてまぁ、最初こそププちゃん達に出鼻を挫かれたけど、後半はサクッと進む事ができ。目的の場所には時間通りに到着する事ができた。


 また、俺達がここへ来たのは、約1ヶ月ぶりだったが、生えている植物に変わりはなかったため、すぐに採取をするとに。なにしろ今すぐにでも、走っていきそうなププちゃんがいるからな。


「植物は採取する物によって、採取の仕方が違います。採取方法は協会のホームページに載っていますし、俺がよく採取する物に関しては、俺達のホームページにも載っていますので、それを見ていただけたらと思います」


『プププ~』


「お、ププちゃんありがとう」


『きゅい!!』


『ラビもありがとう!』


“ププちゃん可愛いw”

“チラチラ向こうを気にしながらも、ちゃんと採取してくれてるw”

“向こうに何かあるのか?”

“あるっていうか、居るっていうか”

“は?”

“よく考えてみろよ、今みんなが居る所はダンジョンだぞ?”

“ダンジョンに居るって言ったら、アレしかいないだろう”

“今日はこの場所に来るまで、穴トカブしかいなかったけどさ”


『ぷぷ? ぷぷぷ~?』


「もう少しで終わるから待ってくれ」


“何て言ったん?”

“早くしろって?”

“www”


「まぁ、そんな感じです。まだ? ねぇ、まだ~? って感じですね」


“やっぱりw”

“ププちゃん、もう少しだからね”

“もうちょっとだけ我慢しようね”

“保護者には早く採取してもろてw”

“そうそうw”

“こういう時、採取スキルがあると早く終わるし楽だよな”


 これでも早く採取してるんだ。失敗すると使い物にならないしな。だけど、ププちゃんの早くしろ要求はどんどん激しくなり。

 

 採取が終わる頃には、俺の頭に登って俺の髪の毛を引っ張りまくったため、俺のセットしてきた髪の毛はグチャグチャになってしまい、新しい髪型へと変化した。ププちゃんよ、美容院は結構お金がかかるんだぞ?


“あ~あ、髪の毛がw”

“まぁ、新しいスタイルだと思ってw”

“帰るまでに元に戻ると良いけどw”

“ダメじゃないwww”

“大丈夫。誰かに会っても外に出ても、この髪型がこれから流行るんです!! って言っておけばいいさwww”


 今の俺の髪型は、平べったいソフトクリームみたいになっている。はぁ、外に出るまでに、絶対に髪の毛を直すぞ。




     *・゜゚・*:.。..。.:*・'.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:*・'*:.。. .。.:*・゜゚・*


お読みいただきありがとうございます。ありぽんです。

ついに始まりましたカクヨムコンテスト10!!

こちらカクコンに向けて書いた作品です。

初めての現代ファンタジー、初めての配信の物語でドキドキですが、

皆様に楽しんでいただけるよう頑張りますので


『これは面白い』

『続きが気になる』

『もっともっと読みたい』

と思っていただけたら、フォロー、コメントをしていただけると嬉しいです(*^ω^*)


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よろしくお願いいたします・:*+.\(( °ω° ))/.:+

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