第34話 宿屋


宿屋に着き、受け付けを済ませると、


『明日は朝食時に受け付け集合ね〜』


アペルタがそう言い、3人は頷きそれぞれ割り振られた部屋に向かっていった。


宿屋で受け付けをしてくれたのは、20代後半くらいだろうと思われる男性の店員だった。


ご婦人を探して辺りを見渡してはみたが、見当たらなかった。

男性に聞くこともできたが、今日から当面の間はこの宿屋にお世話になることだろうし、焦らなくても良いかという結論に至った。


カマラさんもこの宿屋のどこかの部屋に泊まっているはずだ。

カマラさんともまた話す機会があることを願う。


部屋に着くと渡された鍵で扉を開け、部屋の中へと進んだ。

部屋の広さは何も物がなければ大人2人が寝転べるくらいの広さだ。

部屋には窓があり、机と椅子、1人用だと思われるサイズのベッドがひとつ。そしてツボがあるだけで、他には何もなかった。

このツボは何の為だろう?

そう思い、中を覗くと…


なんと薬草をみつけた!


これは…前の人の忘れ物?

宿屋が身体を癒すように用意している?ってことはさすがに無いか?


わからない。


明日の朝にでも宿屋の店員に聞いてみよう。


カリスは机に武器と道具袋を置き、そのままベッドに倒れ込んだ。


そして、ひとつ大きく息を吐き出した。


今日初めて会った3人と過ごす時間は、決して悪いものではなかったが、気を張っていたのかもしれない。

ちょっと疲れた。


明日から冒険が始まる。

神殿からの指示は、まず北の洞窟を攻略し、洞窟の奥にある【王家の紋章】を持ち帰ることで魔王討伐の冒険者として、1人前であるという証となる…だったな。


適性レベルは10レベルだと以前聞いた。

当面は全員のレベル上げと、装備を揃えることが目標となるだろう。


アペルタは恐らくそれなりのレベルだろうけど、エマとスケリドはレベル1と言っていた。


僕とアペルタが率先してモンスターを狩ることになるとは思うが、アペルタの実力もわからないし、最初から北の洞窟でレベル上げをする自信はない。

となると、ここは安全にビッグクロウとスライムを狩って、ある程度2人のレベルを上げておこうかな。

時間がかかるとは思うけど、全滅するよりは絶対に良い。


明日からの動きを考えていると、いつの間にかカリスは眠りについた。

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