第7話 神託


兵士の間を抜け、廊下を真っすぐ歩いていく。

廊下は薄暗く、少し離れた所に淡い光が見える。

淡い光の所までくると、左右に道が続く。

どちらに進んでも良いのだろうか?

とりあえず左に進んでみると、また淡い光があり、そこから右に曲がっていく。

少し歩くとすぐに開けた場所に出た。

そこは光に満ちていて、その光は部屋の中央に置かれた石から発光されている。

僕はその石を目指して歩いていく。


『石の前まで行き、石に手をかざしなさい。石に触れる必要はない。そして【ステータスオープン】と言うのです。』


【!?】


誰もいないと思っていたから驚いた。

声の主はどこにいるのだろう?

辺りを見るがそれらしい人の気配はない。

とにかく、言われた通りに石の前へと進む。


本当に神秘的な光だ。

部屋中を満たすほどに強い光なのに、石を直視しても眩しさを感じない。


僕は恐る恐る手をかざす。

そして、、、


『ステータスオープン!!』


そう言うと、

目の前に文字が現れた。


名前 カリス

レベル 1

HP 27

МP 8

性別 男性

種族 人間

職業 【勇者】

スキル なし

魔法 なし


『なっ!?』


職業、、、勇者!?

思わず叫びそうになった。

そして目を疑った。


『勇者カリスよ。石の奥に2つの扉がある。

右側の青い扉に進みなさい。』


またどこからともなく声が聞こえる。

言われるまま、石の奥へ向かう。

さっきまでよりもさらに思うように足に力が入らない。

僕が勇者?そんな、、、まさか。。。

頭の中はさっき見たステータスでいっぱいだ。


石の奥には左側に赤い扉、右側に青い扉があった。

右側の青い扉の前に立ち、扉を開けるとそこには階段があった。

階段の1番上にはまた2つの扉があった。


『勇者カリス、右側の青い扉を開けなさい。』


言われるまま、右側の扉を開けた。

そこには、この世の者とは思えないほど美しい女性が立っていた。

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