最弱転生

@HANAMIHANATABA

第1話

 急がなきゃ、あっ!赤になった。でもいいや。渡っちゃえ。

「えっ・・・・」

あの判断が間違っていたんだと思う。「赤信号になったら止まれ」、という一般常識を、僕は忘れてしまっていた。あの一瞬の判断で、僕の人生が終わりを告げたのであった。

「んっ・・・・なんだここ」

気づいたら、光り輝く場所で、寝っ転がっていた。

「なんだ。なんともあっけない、死に方じゃのう」

僕は起き上がると、上を見上げる。するとそこには、髭を伸ばしたおじいちゃんが、光り輝く玉座に座っていた。

「あなたは?とういうか、ここどこ?」

するとおじいちゃんが、「ここは、死んだ者が次の来世を聞く場所じゃ、そう神である私にな」

はっ・・・・神?

「いや、おじいちゃん。嘘は駄目ですよ」

そう言った瞬間。「死ぬがいい」、とおじいちゃんが言った。そして、上から落雷が落とされた。

「ああああああぁぁぁぁ!」

僕は、悲鳴を上げた。

「なにするんだ!?」

「神である私を、「おじいちゃん」、じゃと?お前、死にたいのか?」

あっ・・・・やばい、この人本物だ。僕は、おじいちゃん。いや、神様に、土下座を繰り出した。

「すみませんでした」

「ふむ。いいじゃろ」

神様は満足したのか、「あと、お前、来世ないから」、と僕に言い放った。

「えっ・・・・」

その時僕の思考が一時停止した。

「それはどうゆう?」

「えっ、だから、お前、来世ないから」

聞き間違いじゃなかった。神様は確かに、僕に来世はないと言った。

「それって、選ばれしものだけが、次の来世に行けるってやつですか?」

「いいや、お前だけだ」

「じゃあ、『徳』、が足りないからですか?」

「いいや、だから、お前だけ」

「じゃあ、やり直し的なのは・・・・ありませんよね?」

「ない」

なんで、僕だけ?とういうか、これから、どうなるの?

「だから、お前は、いまから、私が、くじで決めた世界に行ってもらう」

あっ、よかった。転生できないわけじゃないんだ

「転生できないわけじゃないんだ」

「当然じゃ、そんなことしたら、私がクビにされる」

神様にも、クビにされるんだ。

「おっ、一番だな」

んっ、一番?

「これは、なんとも、嫌な世界だな」

「あの、どんな世界なんですか?」

「んっ、そうだな。まあ、魔法と剣の世界だな。じゃあ、転送するぞ」

「えっ、いや、いきなり」

「じゃあ、いくぞ、『転送』」

僕の足元が光り輝く。

「・・・・どこだここ」

気づくと、そこには、異臭を放つ人間のものと思える骸骨の山と二足歩行で歩く角が生えた牛が、歩いていた。

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