20:転調

私は人生の

転調が欲しい

どんなに失敗だらけでも

その転調一つの力で

私をすくいあげてほしい


どこかで死のうとしても

その転調が

全てを解決してほしい

だって転調って

最後に絶対

上がってくれるから


落ちたビルの上

誰かが私を見下ろす

二、三秒の悲劇

私は何年なのに


流れ星が全てを消す

きゅっと鳴る靴は

いつもAメロを示す

Bメロと

くだらない一瞬のサビ


Cメロも変わらない

代り映えのない「私」

サビを過ぎ

ラスサビをどこかに忘れた


もう曲を終わらせよう

だから私は

人生の転調が欲しい


あーあ、と

こうなる前に

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