19:存在意義を
この気持ちはきっと
分からないだろうけれど
この世には
生まれなかった方がいい人間も
死んだ方がいい人間も
数え切れないほどいる
可愛がられて隠されて
閉じ込められて恐れられて
そして分かる
私の生まれなかった方がいい理由
よかった 君は
私のようにならなくて
私のすぐ近くでずっと
数え切れないほど泣いてるくせに
存在を認められない存在だから
誰も私に気づいてくれない
こんなにも私は泣いているのに
涙以外に流せるものがこの手の中に
一粒でもあったのなら
その一粒を放り投げて
すぐに君に会いに行くのに
私は君がうらやましかった
ずっと笑顔で楽しんでいそうで
眩しくて見えなくてそれでも
私よりはるかに遠かった
手が届かないほどに
そんな君も泣いてたんだ
ずっとずっと泣いてたんだ
私は死んでしまいたかった
親にこの身を侵される前に
私は死んでしまいたかった
君に出会ってしまう前に
それももう遅い
消えかけた存在は空気のように揺らめいて
今日も夜の街に溶けていく
うっすらと溶けていく
君の知らない私が
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます