9:レインコート

自分を守る装備

人の雨を防ぐ為


薄くまとった

私の仮面

素肌を隠して道を歩く

雨に濡れないように


人が液体になって降る

言葉をまっさらにして


どうせすぐに

排水溝に流れるのに

どうせすぐに

消えてなくなってしまうのに


大して大事じゃない

その一言

それが私の体を打ち

傘も持たずに身を濡らす


皆は傘を持っているのに

私はレインコート一つ

皆はすぐに流すのに

私は濡れたままうつむく


どうか私の自衛手段を

奪い取っていかないで

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る