Dream of Another
中村サンタロー
第0話:Dream (この話はエピソード0。本編とは関係ありません。原作としてここに残します)
前書き
(作者のサンタローです。
あらすじにも書いたその高校生の頃自分が書いた原作がこれです。
一応載せたくて載せました。)
本文↓
少し目が冴えてくる感覚…
「夢の中ならなんでもできる」
そんなことを妄想したことはあるだろうか?
私は、今の状況ならそんなことを妄想してしまうだろう。
なんせ今の状況は…
ーーー
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ーーー
教室が皆の声で騒がしい。
テスト返しの時間だ。
教卓の前で先生が名前を呼んだ。
「桜井ー、起きろ!」
なかなか大きな声が教室内に響く。
教室のガヤガヤ声は静かに静ま…静まらない…なんでよ。
どうやら眠ってしまっていたらしい。
「はーい」
私が答えた。
名前。
髪の色は茶髪。髪型はボブ。桃色の瞳をしている。制服が似合う。たぶん。
自分のことは知っているから。
今の状況は教卓に居る先生と目を合わせている。
教室の生徒は
目を合わせて多分3秒程?先生は私の前まで気だるそうに歩き、よろっと椅子から起き上がり途中の私に向かって言った。
「桜井、何度言ったら分かるんだ?教卓の前まで取りに来いと3回は言っている。3度目の正直という言葉があるだろう?起きろ。」
そう発言したのはこの西夢にしゆめ高校、1年B組の教師である平田ひらた 静香しずかだ。
結構仲がいいと思っている先生だ。
黒色のロングの髪が今日も元気に揺れている。
私は寝起きの目を擦ってから答えた。
「すいません。」
その発言を聞いた平田先生は特に大きな反応はせず、気だるそうな感じで答える。
「優しいのではなく、どうせ4回目に取りに来いと言っても長くなりそうだから
ここまで来てやったんだよまったく…」
やれやれといった風に答える先生。
私は自分が3回も呼ばれていた事実を実感する。
そしてそれが態度に出ていたのか分からないが、
先生はまたやれやれといったため息を付いたあとに、
サッとテスト用紙を私の机の上に置いた。
「見てみ?」
先生は流れるように言った。
私は察した。いつも低い点数を取る私。テスト用紙。
もう答えは出ているも当然。
恐る恐る数学のテスト用紙を除く私。
そしてそこには
「あ、あれ?たかい?おかしいなー」
驚きを隠せない私。
点数は90点。
先生は満面の笑みで、言う。
「頑張ったな祈、見直したぞ」
んー?おかしい…適当にやったからどうせ変な点数かと思ったのに…
しかも空白ばっかだったし…。
私は思わず数学の解答用紙を見つめながら考え込んでしまった。
と、とりあえず礼を言っておこう。
「あ、ありがとうございました?」
私は動揺しながら答えてしまった。
だってあんな適当な回答が合ってるなんておかしいし…
そうして先生の方を少し不安そうに見上げると先生は私に聞いてきた。
「やっぱり、結構な量を勉強したのか?」
嬉しそうな顔で答える先生。
いや、全くしてないんだけどなぁ…
私は変な違和感をひしひしと感じる。
とりあえず勉強は全くしてないけど答える。
「んー、ま、まぁまぁですかねぇ。」
結構ぎこちなくなっている感覚を感じる。
恐らく側から見たら今の私はビクビクしている子犬のように見える事だろう。
だって、空白ばっかで適当の解答用紙がこんな高得点で帰ってきたらいやでもこうなるでしょ…
そうして考え込んでいる私に声をかけてくる先生。
「ふーん、まぁ恐らくだがまぁまぁと言っておきながら凄い量を勉強してるパターンだな。祈?」
見透かしたように言う先生。
私がそんなかっこいい事してるわけない。
私の場合まぁまぁと言っておきながら何もしてないパターンですよ…先生…
でもそうとは言えないこの状況。
きちんと答える私。
「まぁそうですね。凄い量って訳ではないですけどまぁそれなり勉強しました。」
なんだろこの悪くないのに謎の罪悪感は…
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一瞬だった、不思議なピンクの空間で目が覚めたことに気が付いたのは。
気付いてぼんやりしてから3秒程だろうか?
可愛いソプラノの声が耳に入ってきたのは。
「やぁ、目が覚めたんだね、祈?なかなかいい夢だったでしょ?」
そこに居たのは桃色の可愛らしいウサギだった。
目はきゅるんとしていて、まさにラビットって感じのウサギ。
ウサギは悪戯っぽく笑っていた。
どうして…どういうこと?
よく分からない状況に困惑する私。
「ここはどこなの?」
さっきまで平田先生とテストの話をしていたはずなんだけど…
なんでいきなり桃色のウサギが目の前に?
それに不思議な感覚のする床だ。
気付いたときにはピンクの空間で私は桃色のウサギと対峙していた。
謎のウサギは口を開いた。
「おめでとう、君は選ばれたんだ」
笑顔でウサギはそう告げた。
選ばれた?それより平田先生はどこに?
「平田先生はどこ?」
少し焦って私は答えた。
そしたら、、ウサギは不思議そうに言った。
「平田先生?あーあの人間かぁ、現実に居るよ?君は選ばれてここに来ただけ。ある事をすれば現実に返してあげるから」
現実?ここは現実ではない?どういう事だろうか…
私はよく分からない状況に混乱しそなのを抑えて聞いてみる。
「ここは現実じゃないってことなの?」
制服の赤いリボンがガサッと揺れた感覚を感じながら私は答えた。
「そうだね、簡単に言えば君の夢の中かな、さっきの平田先生って人間との会話は僕が考えた妄想でしかないよ。(笑)」
私は怒っていた。久しぶりに怒った。
「そうかぁ…君はそこまでめでたくはないんだね…少し残念だなぁ…」
ウサギは残念そうにそう言い放った。
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