月光の森と導かれたもの

及川稜夏

第1話

 森の中を幼い少女が歩いてゆく。

 森は暗く、いつ凶暴な動物やら得体の知れないものが出てきてもおかしくないほど恐ろしい。

 それでも少女はここまで虫の1匹も見かけていなかった。

 そして捻じ曲がったり、枯れ果てたりした木々が無数に立ち並んでいる。

 スッと森に差し込んだ月明かりを頼りに少女は森の中を歩いていく。

「やっぱり、来ない方が良かったのかな」

 おっかなびっくり進んでいく少女——リズはそんなことを呟いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る