5話「出薄ヨネオ校長との面談!」
昼飯を済ませてからの午後がやはり重々しい空気が
午前のさっきまでとは雰囲気が違う重厚な廊下。やはり怪しく笑むおじさんが迎えてくれた。
厳重な多重扉を潜った先、やはり現実離れした施設の広場。
あの近未来的な壁はハリボテなのか? 太陽系の模型も発泡スチロールなのか?
列を外れて、壁にそっと手で触れようとする。
「……
おじさんはメガネを煌めかせていた。
その視線から、どことなく見下したような冷たい感じがした。
「すみません、でした……」
沈んだ気分で頭を下げた。
「信じられない気持ちは分かりますよ。ですが現実なのです。そもそもこの施設自体も今の時代では到底届かぬ文明力ですからね」
「でも
「
冷たく目を細め、ぴしゃりと切る。ナッセは
するとヤマミこと生徒会長さんがカツカツと前に出る。
「
するとおじさんはギロッと睨みを利かせ「いくら
生徒会長さんはギッと
ヤマミがすごすごと引き返す時、こちらを見て恥ずかしそうに顔を背けた。
そんな赤らめた顔にドキッとときめいてしまう。
拒否されたが結果的に助け舟出してもらえた感じで、ホッと安堵できた。
「結局、生徒会長でもダメかぞ……」
「分かる分かる! あたしだって
ウンウンとリョーコは
「今日は一人一人面談しますので、呼ばれた人はあちらの個室へ行ってください」
何人かが順序よく面談を済ませていく最中、
「
施設にもいくつかドアがあって、おじさんにその中の一つのドアへと
「やぁ。こんにちは。学院生活の二日目はどうかね?」
……
少々面食らったが「どうぞ」と
「今回は君の『
そう言うと、半透明のキーボードを叩く。慣れた様子でいくつか宙に半透明のモニターが浮かび上がる。
「おや?」
「……このステータスは
「あ、ああ。いや、……はい!」
「素晴らしい事に魔力も高くて、何より
「は、はい」
「では何故
しばし
「……師匠と修行してる時に、成長の伸びが
なのに、魔法よりも剣術に才能があると分かってしまいました。これって普通ならゴミ才能扱いなりますよね……」
「これ、自分の生まれ持った才能をゴミと言っちゃいけませんよ」
「す、すみません……。でも師匠と同じ事言うんですね……」
そう、同じだ。
他の人が聞いたなら、きっと素の身体能力が弱すぎて剣術の才が活かされないからゴミ性能とバカにしてたかもしれない。
かと言って攻撃魔法も下手だから更にゴミ性能に
だが師匠は、
「あなたのそれは光るモノがある。
そう自信満々とそう言ってくれた。
それだけで自分は何となく自信が湧いてくるようにさえ思えた。
「自分だけの
「は……はい! おっしゃる通りです!」
自信を持って
「見た所、君は魔法力を身体強化に注ぎ、それを剣技の才に活かしている。
普通の
「はい。そう言われたら
なんて優しい校長だ。安心感があるっていうかな? つい親身に話してしまう。
「ところで……師匠というのは誰ですか?」と耳打ちしてくる。
「く、クッキーさんです……」
「おお!! あのクッキーさんですか!?」
「は、はい。彼女から剣術の
あと
ポンと肩に手を置いて、嬉しそうに微笑んでくる。
「君は大変素晴らしい師匠を持った。クッキーさんは私の師匠でもあるんですよ。いやはや
かんらかんら、
ふと疑問に持った。
でもクッキーは若々しくて、どう見ても二十代の
「やはりクッキーさんは若々しいのかな?」
「は、はい! ヘンテコな髪型してるけど、まだ若いらしいです」
「そうだ、頭上がデフォルメ的なウニ頭だったのう。ははは」
「ええ。自分で『ウニ魔女』って言ってましたよ。変わった人ですけど、かなり強いし厳しい時もありました。基本優しいですけど」
「ほほ、そうじゃ! そうじゃよ!」
なんか
「こほん!
「はい! いいですけど……、どこで?」
「こちら『
入ってみると、更に広い空間があって円陣を組むように
その中心はサーバーを思わせるような円柱の装置があった。
まるで近未来のオンラインゲームっぽい
「ここでは、特定の亜空間に自分の
ちなみに生身と同じ感覚なので痛いし、怪我でもすれば動けなくなったりもある。例え、死んでも
「そ、そんな装置まで……」
ガチで死んでも現実に影響ないんだろうか?
もう目の前が夢のようだ。どっかに監督がいて撮影でもしているんだろうか?
リアリティーを追求する為にコッソリ撮影してるとかじゃないだろうな?
……それとも最新鋭の新作ゲームの
魔法陣の上に立つと、
自分の身体をスキャンしている……のか?
「あい済まぬが、ちょいハードでやらせて
「あ、はい!」
すると目の前が真っ白に
だが壁は全面窓のように透明で、景色は波打つように天の川のような
亜空間に
初めてだが、今の自分が
「これからミノタウロスの大型モンスターを形成するので、準備できたら声を掛けてくれんかね」
どこにも校長の姿は見当たらないのだが、声だけは
「は、はい! こちらはもうオッケーです!」
そう言い、両手の甲に『
続いて杖を握り締めて
眼前の床からキューブの群れが這い出し絡みつき、徐々に巨体の人型を成していく。
牛の頭部、筋肉質の上半身に牛の下半身。ゆうに四メートルを超す
ゲームでよく見る馴染みのミノタウロスだ。
「で、デカっ……!」
だが思ったよりデカくて
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