男に裏切られた私、親友で幼馴染の財閥令嬢の嫁になりました

風間 シンヤ

男に裏切られた私、親友で幼馴染の財閥令嬢に求婚される

「もう絶対に男なんて信用しないッ!!!」


そうビールを片手に叫ぶ私浅間あさま あかね。広告会社に勤める26歳独身。いや、独身だったと言うべきか……


「なんだかそのセリフは高校時代……いや、中学や小学生時代にも聞いた事あるわね……」


そう言って涼しい顔をしてビールを一口飲む、私の親友であり幼馴染の東堂とうどう 百合花ゆりか。地味な見た目の私とは違い、眼鏡が似合う知的美人な彼女。私が唐突に泣き叫びながら部屋に突撃してきても優しく受け入れてくれたまさに菩薩のような親友だ。


「そりゃあ……!私は……!百合花みたいな美人じゃないよ……!」


「私は茜の可愛いらしい顔立ち好き過ぎるけどね」


「でも……!私だって……!私のやれる事をやっているのに……!」


「そうね。茜が頑張ってる事はこの私が1番よく分かっているわよ」


愚痴を叫びまくっている私をニコニコしながら聞いて慰めてくれる百合花。何故か表情が艶っぽいのは気のせいだろうか?


「ただ……!ただ……私は幸せになりたかったのに……!」


  すると、私のその一言を聞いた百合花が眼鏡を外しテーブルの上に置くと、眼鏡を外すと更に増す美貌の顔を私の顔に近づける。


「そんなに幸せになりたいなら、茜。私と結婚しましょう」


「はい?」


百合花のその一言に固まり先程までの酔いも覚めてしまった。私の状況を知らずに私にどんどん迫ってくる百合花。


「もう男を信用出来ないなら、今度こそ私と結婚して私のお嫁さんになってくれるわよね?」


「いや……!?ちょっ……待って……!?急にそんな事言われても……!?」


「急?私は昔からずっと茜に求婚してきたと思うけど?」


確かに、百合花は小学生……いや、出会った当初から私に結婚しようとか、私のお嫁さんになってとか言われてきたけど……


「あ……あれは……親友独自の冗談的なアレかと……」


「私が嘘や冗談を言うタイプじゃないって付き合いの長い茜が1番よく知ってるでしょ?」


「うぅ……それは……」


  どんどん迫ってくる百合花。気づけばもう壁際にまで追い込まれていた。すると、百合花は妖艶な微笑みを浮かべ、何故か服を脱ぎはじめていく。


「ちょっ!?百合花!?何で服を!!?」


「もうそろそろ私も我慢の限界。毎回毎回私があれだけ求婚してるのに、毎回誰かと付き合っては振られて私に愚痴を言いに来て……だから、もう我慢しなくていいわよね」


そう言って百合花はニッコリ微笑むと、私の服にまで手をかけはじめた。


「ちょっ!?待って!?百合花!!?」


「私が貴女を1番愛してるし、貴女の事を1番幸せにしてあげる。それを、分からせてあげる……」


「ちょっ……!?待っ……!!?」





自主規制中……しばらくお待ちください……









「……私……百合花の嫁になる……って言うか!?もうあんな事やこんな事までされたら百合花のお嫁さんになるしか選択肢がないッ!!?」


「ふふふ……えぇ、もちろん責任とってお嫁さんにするから大丈夫よ。それじゃあ、早速私と茜の両親に結婚の報告をしましょう」


いつもの数倍艶っぽい表情でウキウキしながらスマホで連絡をする百合花。百合花に色々わからされた結果動けない私は、もう何か言う気力もなくベッドに突っ伏していた。


  だが、私はすっかり失念していた。幼い頃から普通に遊んだり飲みや食事もしているが、百合花が、日本の経済を支える4大財閥の一つ。東堂家の令嬢である事を……









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