愛の芸術作品


 今日はいっくん先輩と三人で飲み会です♪


 いつもの店で定番の食べ物と飲み物を注文して、三人でワイワイと楽しく過ごしています。


「……いや~、相変わらず君の天然ぷりは凄いな」


 いっくん先輩、みんちゃんの話を聞いてそう答えます。


 話の流れで、くーたんの話になったのでみんちゃんが「くーたんの幸せを願っています」という言葉にいっくん先輩は特に驚かずにそう答えました。


 いっくん先輩はみんちゃんの事を知っていますからね♪今さら何も驚かないのです♪


 そこへ、店員さんが注文したピザを持ってきました。


「よし!今日のピザはいつもの切り方では面白くないから君に芸術的に切ってもらおうか!」


 いっくん先輩、みんちゃんにそう要求です。


「分かりました!」


 みんちゃん、素直に返事をしてピザカッターを片手にどう切るか思案しています。


 たっくんは隣で応援です。



 ――――キュルキュルキュル……キュルキュルキュル……。



 みんちゃん、ピザをあっち方向こっち方向に切っていきます。


「……出来ました!」


 みんちゃん、ドヤ顔でそう答えます。


「うむ、よくやった。褒美に最初に食べていいぞ」


「ありがとうございます!」


 いっくん先輩の言葉にみんちゃん両手を上げて大喜び♪


 その時でした。


「……違う」


 たっくんがボソッとそう言います。


「すみません!ピザをもう一つください!」


 たっくん、近くに居た店員さんにそう声を掛けてピザをもう一つ持って来て貰いました。


 どうしたのでしょうか??


 そして、ピザカッターを手に目を光らせます。



 ――――シュパ!シュパ!シュパ!



 たっくん、リズムよくピザを切っていきます。


「……出来ました!」


 たっくん、ドヤ顔でそう声を発します。


 それは、小さなハートからどんどん大きくなっていくハートに切られたピザでした♪


 たっくん、お見事♪


「これが芸術作品です!」


 たっくん、いかにも「どやっ!」という感じで自信満々です。


「……ほう、見事だな。この作品のタイトルは?」


 いっくん先輩、半分感心しながらそう尋ねます。


「みんちゃんへの愛溢れる作品……。タイトルは『最大級の愛』です!」


 たっくん、「フンっ!」と鼻を鳴らしながら自信満々です。


「……ほう、そうか。なら……」


 いっくん先輩、そう言ってピザカッターを手に持ちます。



 ――――スパーン!!!



 わ~!!!いっくん先輩がそのハートたちを真っ二つにしてしまいました!!!


「何するんですか~?!酷いですよ~!」


 たっくん、ショックを受けながらいっくん先輩に反論します。


「……いや、なんというか、何となくイラっとしたのでつい……」


 いっくん先輩、明後日の方向を見ながらそう誤魔化します。


「たっくん、ピザ美味しいよ♪」


 みんちゃんはたっくんが切ったピザを特に気にすることなく食べています。


 あれ?みんちゃんはハートを半分にされた事を気にしていないのかな??


 そんなこんなで、楽しい(?)飲み会は続きましたとさ♪




 余談。


(……僕はいつまで彼らのラブラブモードを見ることになるんだ?)


と、いっくん先輩は心の中でため息を吐いていたりして♪



 ちゃんちゃん♪

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