懐かしい小さな小学校

@nanababa

第1話

1964年4月、私は小学校入学しました。

父の仕事の関係で、引越しして来たのが、

全校生徒120人ほどの、山あいの小さな小学校でした。

6学年、全て、ひとクラス。

私の一年生は、男女合わせて18人でした。

私にとっては、初めての経験。2年生の秋に、全校生徒1000人余りの学校に転校するまでは、当時、学校は、こんなものなんだと思っていました。


とにかく不思議!

教科書やノートの氏名欄の○○組って、何?

朝、黒板の前の教卓に置かれたブリキのボウルに、みんなは、それぞれ持って来た野菜を入れている。

ある日、「誰だ?にんじんが入っているぞ、今日は、ぜんざいの日だぞ!」男の子が笑いながら言って、みんなも笑った。

幾つかの小豆が入った袋の中に、赤いにんじんが一つ。

私は、給食費は、お金でした。

この辺りは、農家さんばかりなので、採れた野菜を持って来てくれたのかな?

詳細は分かりません。

私は、母に、「私も野菜を持っていきたい」と頼み、献立表を確認して、一度だけ、きゅうりを、ブリキのボウルに入れました。

みんなと同じ仲間になった気がしました。


遠足は、裏の山へお弁当を持って登ります。

春は、西のあの山。秋は少し遠くのあの山。


運動会は、村のみなさんや、家族みんなで楽しかった。運動場を囲んで、お弁当。

母は、お正月にしか登場しない重箱に、ぎっしりと巻き寿司、いなり寿司を用意してくれました。


新城市の宇利小学校は、もう閉校になりましたが、私には、今でも、心が穏やか日に、何度も懐かしく思い出す、大切な小学校です。


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