レンタル彼女入門

第1話

レンタル彼女という仕事がある。

（ちなみにレンタル彼氏というのもある）

一番基本的なことだが、

これはプラトニックな疑似恋愛のサービスであり、

恋人を探すところでも、キスや腰に手を回すなどの、

性的な行為は一切できない。本番などは絶対に不可能だ。

そういう手合いはマッチングアプリとか、

ソ ープへ行ったらいい。

デート、食事、あとは日帰りの旅行が限界である。

またおススメのデートプランについても企画してくれる。

笑顔で、優しくて、素敵な女の子が演技していると見なせない、

（そもそも恋愛って同タイプか、異なるタイプかのどちらかで、

そこの許容差を推し測るところのものにすぎない、

僕は結論、“女なんてどれでも別に構わない”と考えているが、

“だから長い時間一緒にいることに意味がある”と思うのだが、

大手のレンタル彼女サービスでは、採用する女性キャストを厳選している、

そこから既にハードルが違って来る）

そういう人々にしてみれば純情をもてあそばれたことにもなるし、

お前の純情って性 欲だったのみたいなところはあるわけだが、

これは疑似恋愛が恋愛詐欺に差し掛かっている状態である。

アイドルと一日デートして、

そのまま付き合えると思ってる人まさかいないよね、ということだ。

とはいえ絵画を買わせる美女や、

マルチ詐欺ないしは新興宗教に入らせる美女と同じことではある。

顔面偏差値は有効に利用される、お金だ、

だから中身が異なっていても仕方ないことだ、愛でお腹はふくれない。

顔も良くて性格も良いなんていう女なんか僕は見たことがないが、

（けれど現実にはやっぱり一定数―――“いる”のだ、

けれど完璧超人はいない、それだけは確かなことだ、）

スピリチュアル女は恣意的で鬱になるし、ヨガ女は身体軟らかくて鬱になるし、

セクロス女はそればかり考えていて鬱になる。

鬱になって下さい。

顔と性格、どちらかに特化していると思えば結婚も恋愛もスムーズにいくはずだ。

（という伏線なんだよね、優しい人だって話さなきゃわからないし、

この人いいな、もあれば、この人でいいかもなというのが有り得る、

だってみんな違う人生を生きて来た、POINTを見逃さないようにしようぜ）

また恋人候補、デート相手候補、遊び相手候補、結婚相手候補で、

選択肢も変わって来る。

自分が本当はそんなのに向いていないのに気付かずにやっていると、

相手がその気もないのに傷つくことになる。

あと、理屈はわかるが、それならそれで、大前提として

お金で繋がっている関係なんてそもそもロクなもんじゃない。

恋人よりも犬を飼え、と僕なら言う。

散歩して運動して、餌与えて、排泄物を取り、一緒に遊んで、

つれあいの難しさと必要に密接に踏み込みながら、

いつか来たるべき死をきちんと受け入れるまでを事前練習とせよ。

そしてワフワフの犬ガールと恋をしたらいいと思います。

そういうことじゃないよ、いや、お前そういうことなんだよ、

人間の女性に需要があるのは今の時代だけ。

そのことに人間の女性がわかっていないのも短いこの瞬間だけ。

逆も然りだ、同族には限界があるし、

そもそも人間であるというところに僕は限界があるような気がしてならない。

あと、イケメソになりたい。

イケメソになったら、ワフワフの犬ガールとデートしたい。

いや、お前そういうことじゃねえよ。

ちなみに手つなぎや腕組みなどは相手が許可すれば許されているが、

これはあくまでもサービスの範囲内と心得よう。

また十八歳未満はレンタル彼女の利用NGだし、

ドライブや自宅など密室のデートは何されるかわかったもんじゃないからNGだし、

（カラオケは、レンタル彼女がOKという場合もあるようだが、

知らない人に言えば、カラオケの個室にも「監視カメラ」はある、

「防犯カメラ」ではないが）

もちろん、プライベートな連絡先を聞くのはNGだし、

過激なメッセージもNGだし、高額プレゼントもNGだ。

もちろん女性次第ではどんなことでも応えてくれる場合もあるだろうが、

運営にバレると退会処分や思わぬトラブルに発展する可能性がある。

“若い美人と手軽にデートできる”

“恋愛関係のしがらみがない”

“男性一人では行きにくい店へ行ける”

レンタル彼女の利用者は、二〇代～六〇代までと幅広い年齢層で、

その利用目的も、「デートを楽しみたい」「話し相手になってほしい」

「一人では行きづらいスポットへ同行して欲しい」

「家族を安心させるために恋人っぽい写真を撮っておきたい」など様々だ。

「家庭を壊したくないため安全に付き合いたい」などの既婚者もいるようだ、

中年でも恋したい、老年でもセクロスしたい、アホか、解脱しろ。

プライドが高い人は、バレンタインや七夕クリスマスなどのイヴェント毎に、

リア充を演じてみたい気持ちが半端ないのだろう。知らんけど。

リピート利用している方は「洋服選びに付き合ってもらった」

「デートの練習相手にした」という方が多い。

「人生オワタモードだから一度ぐらい女とデートしたった（笑）」

という場合もあるだろう、辛かったね、かつ丼食べる、

おじさん、おごったげるよ？

しかし成長戦略の一つとしてお金を払って学ぶというのはいいことだ。

（何でもかんでもRPGみたいに考えるのもそうだし、

何でもかんでもお金を払って対価を得ると考えるのもいい方法だ、

思考のスタイルにお金はいらない、何でもかんでも、学ぶことから始まる、）

またレンタル彼女を利用する中には、女性もいるようだ。

インスタグラム脳のお仕事や、レンタル彼女ならぬレンタル友達、

（時代も時代なので、タイプの相手と疑似恋愛することもありそうだが、）

合コンのメンバーの穴埋め、結婚式のピンチヒッターなど、

それってもうただの便利屋じゃん、別の人に頼め。

女性同士で付き合っている彼氏の恋愛相談をするという人もいるようだ、

素晴らしいですね、ネット掲示板へ行け。

歪なのはいつの時代もそうだが、様々な欲望が渦巻いている以上、

その受け皿となる仕事があるのもごくごく当たり前のことだ。

ちなみに基本料金の平均的な相場は、

一時間あたり五〇〇〇円～七〇〇〇円ほど。

新人女性は一時間あたり五〇〇〇円ほどでレンタルできるのに対し、

人気が高くなれば一時間あたり一〇〇〇〇円になる。

さらに、指名料金が込みの場合が大半だが、あれば二〇〇〇円ほど。

出張料(交通費)は三〇〇〇円程度だが、

サービス店のエリアや彼女の住まいから遠くなるほど、費用が掛かる。

次第にお金の話になってくるので女はお金がかかるという真理から、

マイホームも、マイカーも、

そして様々な電化製品などのプラスアルファで、

女はすごくお金がかかることをあなたは学んだだろう。

それでいいのだ、生きてゆく為には必要な重さがあり、

僕等は論理的能力だけではなく抽象的能力でもって対処せねばならない、

様々な問題を抱えている、お金が何故消えてゆくのか、

それは趣味であれ何であれ一種の女というものだ。