黄砂

かもめ7440

第1話


​​紙を拡げた軽さの砂​だが、黄砂となると話は別、​

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​これ、〇.五から四マイクロメートル。

マスクをしてもその網目を搔い潜ってることになるので、

専門家なんかは意味がないと言う。

ただ、その専門家は抵抗や防衛としてカオス状態を呈する、

ということを知らないのかも知れない。

病的というのは、正常なものへあらゆる照合が、

消滅するようなものでは決してない。


ところで黄砂というのは花粉みたいに日本列島に飛来する、

悪魔のような意味合いが強いとは思うけれど、

黄砂の起源を辿るように約一億二千年以降の堆積物を調べると、

日本列島全域にわたって中国中部の、

黄土高原の堆積物と値が一致していたりする。

本来の黄砂というのは弱アルカリで、

土壌を豊かにしてくれるものだ。

たとえそうではないとしても、「有り触れた自然現象」だった、

という見方は消すことは出来ないだろ―――う。


ではどうして被害報告が相次ぐのかということになるわけだが、

それは環境に変化があったから―――だ。

ピラニアが潜む川に肉塊を投げ込んだら地獄絵図になるようなもの。

僕は常々、研究というのはえらいものだなと、想う。

この砂の成分を調べてみると、​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​おもに石英、長石、雲母、緑泥石、

カオリナイト、方解石、石膏、硫酸アンモニウム。

​ちなみに日本の表土のそれより、​​カルシウムの含有率が高い。​

じゃあ黄砂って「過敏症の類」なのかというと、そうではない。

これが「本来の黄砂」というわけ―――だ。

このような砂が、

自動車、建物の窓や洗濯物が汚れる原因となる。


ちなみに中国某所の駐車場では黄砂などで汚れた車を発見した、

あるアーティストが、綿棒と歯ブラシ一本で、

見事な鯉のイラストを完成させたりしてい―――る。

これがゲリラアートなのかどうかはわからないけれど、

本人の車でなかった場合は、

世知辛いけど、損害賠償請求の対象になりそうだ。

それはたとえば、サッカーの試合で、​​分かりやすい八百長の、​

​百三十四対一という試合があるみたいなものだ。​

​審判と相手チームが協力したといわれている。​

​ね、この一点の解釈が難しいんだ。​

この動画を観た海外の人達は洗車の話で盛り上がっていた。

でも実際、黄砂を放置して雨が降ると粒子が張り付いてしまい、

水で流したくらいでは取れなくなってしまう。

こうなるともう、高圧洗浄機が必要になる。

黄砂がひどい場合は二週間に一度は洗った方がいいし、

ノンブラシタイプの方がいい。

黄砂は普通の汚れじゃないという認識は正しい。


さて、その砂はトラックや、船で運ばれてくるわけではない。

ちなみに環境省によると、東アジアに飛来する黄砂の量は、

年間二億トンから三億トンで、

十トントラックで運べば二千万台分にもなる。

二億トンの黄砂の価格を単純に市販されている山砂の価格、

一トン四千円で計算すると、なんと総額は八千億円にもなる。

高速道路一キロ五十億円と比較しても中々のものだ。

しかし『無料(タダ)より高いものはない』


投資の講演会などが無料で開催されているのは、

開催する側が「あとでセールスしたい」という思惑がある場合があり、

また、催眠商法では、来場者に洗剤やティッシュペーパーを、

何度も無料で配り、

「ここまでしてもらって何も買わないのは申し訳ない」と思わせて、

高額な商品を購入してもらう手法がある。

この心理学ほどではなくとも、たかだか砂だろうという見方が、

ほんのちょっとの言い方や考え方で変化する。

―――そこをPOINTにしてみたい。


前述したようにこの砂はトラックや、

船で運ばれてくるわけではない。

だからこの砂には、微生物やその死骸、金属、化学物質など、

多くのアレルギーを引き起こすものが含まれてしまうことになる。

また微小なマイクロプラスチックが混じることもあるようだ。

大陸で黄砂が発生すると、大体四十八時間ぐらいかけて

日本に飛来してくるわけだが、その間に様々ものを巻き込んでいく。

気流によっては工業地帯や都市部の上空を通る過程で、

有害物質が付着することもある。


こうなってくるともう、

狂気の心理学というほかないコロナ期のガスマスク状態だけど、

「極力、外出を避ける」「窓は閉め切った状態にする」

「空気清浄器を利用する」

というような方法しか取れなくなる。

もちろん外出を避けるのには限度はあるが、

神経質になるな、サバトクトビバッタの群れではない。

彼等は​一平方キロメートルに、四〇〇〇万から八〇〇〇万匹いる、​

​そして四〇〇〇万匹で、​​一日に約三万五〇〇〇人が消費する食糧、​

もしくは、牛二〇〇〇頭分の牧草を食べる。

―――問いの断絶とうほかない、沈黙・・。


外に出たくなる話をしよう、やっぱりスキーシーズンだしね。

モスクワ・ソチの雪山の写真があるけど、

普段は純白のパウダースノーが降り積もるスキー場なんだ、

だけど北アフリカから黄砂が流れこみ、雪と混ざったことによって、

雪山がオレンジ色に染まっていたりする。

終末観もあるし、火星のようで綺麗だし、

みんなスキーを楽しんでい―――る。

前方が見えにくいというようなことはあるみたいだけど、

一寸先は闇としか言いようのない中国のスモッグと比較すれば、

素晴らしいものだよ。


実際に、黄砂で航空機の飛行や車の通行、鉄道の運行、

人の歩行に障害を及ぼしたりする。

一般に見渡せる距離が十キロ未満になると、

空がぼんやりと霞んだり、

二キロ未満になると飛行機の離着陸などに影響が出るといわれている

大気を覆うことによって気象観測を妨害したり、

地上波放送などの電波が乱反射し、

受信障害や異常伝播を引き起こすこともある。

金儲け主義団体のXを妨害工作はもっとやってくれてもいいわけだが。

中国や韓国では、黄砂の濃度が高い時には、

乗用車の速度規制が行われることがある。

こういうのが続くようなら、

自動運転の技術は必要不可欠にも思えて来る。


また​中国、韓国、台湾では呼吸器疾患や呼吸器感染症、​

​心臓や脳の循環器疾患の増加と黄砂発生との相関が、​

​複数の論文で報告されている。​

また喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患のほか、

​結膜炎などの眼科症状の増加も報告されている、

また黄砂は農作物への損害を与え、光合成を阻害したり、

酸性雨への寄与をしたりすることもある。

―――都市のフケというわけだ。


​空が黄砂に覆われた場合には二種類あり、​

​粒径が小さい・濃度が低い時は、

ミー散乱により、白っぽく霞んで見え、​

​粒径が大きい・濃度が高い時は、

太陽光が黄砂粒子を、​透過・屈折することで、

おおむね黄褐色や赤褐色に見える。

実はモンゴルでは災害レベルの​大規模な砂嵐が起きた。​

​鼓膜に砂があたる音がし、​方角がわからない、十メートル先も見えない、​

​それが外さえ出歩けなくなった状態の黄砂だ。​

​とはいえ、日本ではそこまで大きくない、​​鼻炎、咳、咽頭痛の三症状を、​

​​ピンポイントブロックするには眼鏡やマスクをすること。

手洗い、うがい。​​多くの人は思うはずだ、大したことがない、

風邪か、花粉症か、黄砂なのかわからない地域が多い。

場所によっては車の運転に注意が必要だし、洗濯物は部屋干しが無難だ。

​その昔、海底トンネルを掘って、​​​​​東京と北京を繋げる列車の話があった。

血吸蝙蝠の協力行動、女王蜂に奉仕する働き蜂、

交尾中の雄を食べる雌の蟷螂。

​―――​こんな絵に描いた餅みたいな話を考えていると、​

​​僕は、「力の統一理論」「四つの力を一つ」にというあれを、​​

​考えてしまいたくなる。​​束ねるのは難しい、​

​でもそれが宇宙の真の姿といわれると、​心惹かれてしま―――う。


​高度が上がるにつれて、​​気圧、気温、酸素濃度が変化していく。​

​その砂は風が吹くと、​​「転がりながら進む砂」​

​「跳ねながら進む砂」​​そして「空中を浮遊する砂の動き」をする。​

​​​​まるで神経細胞が、

「休んでいる状態」と「興奮した状態」の、

二つの状態しか取れないみたいなものだ。

​急速に広がりつつある森林伐採や、​​農地転換による土地の劣化の影響。​

​ほかにも、環境汚染が​被害を増大させているという話もある。​

​ところで、​​年間の中で二月から五月の四か月間​に、​

​年間の約九〇パーセントが集中して降下し、​

​まったく黄砂が観測されない季節もあるのだが、​

​実はバックグラウンド黄砂というのもあり、​

​自由大気と呼ばれる高層で薄い砂塵が観測されるなど、​

​黄砂が観測されない季節でも​​この黄砂が飛んでいたりする。

見えると迷惑って言うけど、

見えなかったら迷惑とは言わない。

​​​日本のメディアは環境省が言うように、

一般的な黄砂は中国大陸のゴビ砂漠、タクラマカン砂漠、

黄土高原の土壌・鉱物粒子が風で高度数千メートルまで巻き上げられて、

運ばれてきているという認識。

これに加えてパキスタンやアフガニスタンなど、

東アジア内陸部を起点とする砂も相当量混ざっていることが示唆されている。

中国のメディアはそして、モンゴルのせいと言う。

奥さんが中国人だけど、それは多分違うと思う。


ただ黄砂とPMを一緒くたにしているところもあるので、

情報としてどうかと思う。

PMは石炭を焚いたりディーゼル発電などから出る人工的な物質で、

黄砂が無機質、PMは有機物なので、水と油のような違いがある。

黄砂とPMを両方「大気汚染物質」として一緒に測定したり、

記事に書いたりしているが、元々アメリカで大気中に浮遊する微小物質が、

PM10とかPM2.5のような指標で示すことが決まった時には、

「砂塵のような天然物を除く人工物」となっていたが、

日本の大気汚染法令では天然物を除いていない。

黄砂は粒径が数ミクロン(四ミクロンぐらいが中心)だから、

PM10にもPM2.5にも入る。

PM2.5は2.5ミクロン以下と報道されることもあるが、

2.5ミクロン以下の粒子が五〇パーセントある粒子群を言っているので、

4ミクロンの黄砂も入る。

結局細かいところはどうでもいいのかも知れない、大筋は変わらない、

だけど、これは思うに黄砂の被害がまだ生易しいものだからだ。


中国や韓国では甚大で、経済損失や健康への影響が確認されている。

中国では毎年約六五〇〇億円、

韓国では年間およそ二四〇〇億円から四〇〇〇億円。

韓国では、黄砂現象期間に高齢者の死亡率が二.二パーセント増加し、

呼吸器系及び循環器系疾患の入院がそれぞれ七.八パーセント、

三.七パーセント増加したという報告がある

日本では、黄砂による健康影響について、

疫学的調査報告や研究成果は今のところ見当たらない。

けれど、僕は時間の問題だろうなと思っている。

​アマゾン河はナイル河に次いで世界二位の大きな河だが、​

​実は地下四キロにアマゾン河より広い、​

​全長約六〇〇〇キロの地下水脈があるみたいなもの―――だ。

法や政治や道徳や医学などに属する、

様々な知や実践の編み目を持ってしても、

―――事件が起こらないと捜査しない、

動けないという警察官なのだ。

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