第10話
『んっ…』
客は、いきなりあたしを引き寄せると、キスをしてきた。
(ちょっ…!やだっ!まだイソジンしてないし!)
だけど、舌が入ってきた瞬間。あたしの中の『拒否反応』が消えた。
その感触とやり方が、ハルとソックリだったから…。
リアルに脳の中でハルとのキスが甦る。
(やだ…なんで…)
久しぶりに子宮の辺りが、きゅうっとする。
しばらくして、客とあたしの唇が離れた。
(…)
頭がボウッとする…。
『…キスの仕方が…前に付き合ってた人とソックリ…』
そんな余計な事、なぜ言ってしまったんだろう。
言う必要なんかなかったのに。
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