第6話

(勘弁してよ…)


だって、シャワーの前に客に触ったり触られたりするのイヤなんだもん。



(キスとかしたがったらどうしよう。とりあえず、会話しながらカワすか…)


なんて考えながら客に近づいた。その時、ふと気付いたんだ。




(あ…)




よく見ると、なんだかタバコの吸い方が『ハル』に似ている。



(なんで、こんな時に思い出すかな…)


あたしは目を逸らした。


『もっと、こっちきて。してよ…』


案の定、要求をしてきた。煙草をくわえたまま、デカイ態度で。



『…シャワー行ってからね』


あたしがにっこり笑うと、客はサッサと服を脱いでシャワー室に入ってしまった。

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