両片思いニューワールド!

沼津平成

第1話

 朝のホームルームが終わり、一時限目が始まったが、僕、豊臣 空とよとみ そらだけはどこの教室に行くでもなく、ただ廊下をぶらついて、時々、目についた教室の黒板に頬杖をつきながら目をやったりしている。

 当然、いつもならせっせとどこかの教室に入り、ノートを開いて、ボールペン片手に授業を聞き流している。つまり今日はいつもとは少し違っているということだ。

 僕は、いじめを受け始めたらしい。少し前までそんな意識はなかったがここの所それが活発になり始めてきた。


               *


 澄み渡る青空の下、お世辞にもきれいとはいえない校舎がそびえたっていた。学園生活4年目の春、僕は転校を決意した。

 転校先はすぐ近くの離隔文科高校りかくぶんかこうこう。作家志望の僕は、プロ作家が多数輩出されているこの離隔文科高校に興味を持っていた。

 だから編入試験が受かった時、本当にうれしかった。

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両片思いニューワールド! 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

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