第16話

『赤ちゃん、小さくて見えないなぁ…』


医者が小声でそう言った。


中から器具を取り出し、看護婦がティッシュで拭いてくれる。


(恥ずかしいし!自分でデキルし!)


いつもそう思うんだけどね…。



診察が終わると、部屋を移動した。机の上に、私のカルテらしき物が並んでいる。


私が椅子に腰かけると、先生は『写真』を見せてくれた。


先生の指さす先には、黒く小さな点が写っている。


ボヤーとした中に、小さな小さな『黒い点』があった。



それは、私のオナカの中の様子…。


『これが、赤ちゃんかもね』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る