魔女と王子の冬休み〈アドベントカレンダー2024〉
ミコト楚良
1
この
アドベントカレンダーは実入りが多い。
それは人の
その中には、詩の一編、チョコレート、焼き菓子など、小さな贈り物が入っている。宗教色の濃いものもあれば、娯楽用もある。
魔女の作るアドベントカレンダーは、後者である。魔女の信じるものは、神ではない。
「お金かな。魔王の
百歳にも満たぬ、ひよっこ魔女は、黒い長衣のフードを目深にかぶり、白い手のひらを、魔女の家に出向いた商人に差し出した。
「毎度ありぃ」
人の
今年の制作分は予約段階で、すべて売り切れた。特別な顧客に向けての、オリジナル創作も含む。魔女も商人も、ほくほく顔だ。商人は、金貨の小袋を魔女に手渡した。なに、彼は魔女の支払い分に上乗せして、しっかり
「よい冬を。森の乙女」
「また来年もよろしく。お
この季節しか顔を合わせない、ふたりは、互いをねぎらいあって別れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます