第23話:分かり合えた者達

フィフティーン、30歳です。


妹から帝国が思いのほかいい国だと聞いて商談に来ています。


聞いていた通り、帝国は自給自足で物資を賄っており、比較的豊かな国でした。


娯楽品が特に売れて、他の国との需要のバランスもいい感じ。


ただ、争い自体は多いようで、そこかしこでじゃんけんぽん、と声が聞こえてきます。


たまに荷馬車をじゃんけんで譲れと言われる時は、本当にどうしようかと思った。


さすがにそういう時は武力行使。


まぁ盗賊だし、その辺は仕方がないと割り切ろう。


なんやかんやで商会の手は世界中に広がっています。


商会名は15商会。


名前をそのままだと恥ずかしかったので数字に直しました。


一番の売れ筋は水。荷馬車で大量に運び、娯楽品や食料と交換しています。


やはり土地によって特性があると手に入らないものも多いようで。


商会には法外な価格にならないよう公正取引委員会を設立。


それぞれの国家に頼りながら運営しています。


これでうまく世界が回ってくれるといいな。


スィックスティーン。30歳になりました。


去年フォーティーンが亡くなったのだとか。


本当に面倒くさい人。


最後に残した遺言が「お前達ならやれる」なんだって。


どこまでも他人まかせなんだから。


でも、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、悲しんであげてもいいかなって思った。


もう死んだと思われている皇帝様、質素で穏やかな葬式で送られたという皇帝様。


願わくば、あなたの願いが叶いますように。


あ、私達が叶えるのか。


ま、頑張んなきゃね!


クリア歴160年、15商会によりすべての国が繋がれる。

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