第15話:繁栄は生物の希望

イレヴン、30歳になりました。


ここでいうのもなんですが、ちょっとした病気にかかりました。


手を動かすのがちょっと辛い、そんな病気です。


ですので俺の手記は今回で終わろうと思います。


次が見つかったのです。


トゥエルヴ達はきっと大きなことをしてくれるでしょう。


俺も最後に大きなことを書き記そうと思います。


これ大事な情報です。


神の木について。


神の木は死体の上に立つ木ではなく、血を吸って生きる木です。


つまり、一定の分量の血液を吸収させると木の実がなるのです。


これを利用すれば死ぬことなく、人類の数を増やすことができる。


人類が繁栄することができるのです。


さらに、血を吸収したら実がなるということはその血の提供者とその実を食べる人の夫婦関係が成立します。


こうすることにより、狩りに出られない母体を庇護する役割をもつ夫という職業を作ることができます。


より安全に繁殖が可能となるのです。


どうかこの手記を見た人はこの手記を利用して多くの家族を作ってください。


そして、人類の数を増やして大きな国を作ってください。


より安全に、より繫栄した世界を俺は望みます。


さて、これで俺の最後の仕事は終わりです。


最後にもう一度だけ、やってみたいことがあるのなら挑戦しなさい。


それがきっと世界を少し良いほうに進めてくれるから。


クリア歴80年、世界に婚姻家族制度が取り入れられた。

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