「ありがとう」を隣で言わせて?

如月 律

第1声 メイク落とさずに寝てしまったァァ!!!

〜♪(アラームの音)


2分後 ポチっ


「……アラームうるさい。」


えーーー…ゴホンっ


おはようございます皆様?

わたくし、一ノ瀬湊と申します

本日も澄み渡る青空で天気もご機嫌麗しゅu…












…なーんて元気、ある訳なかろう。


カーテンの隙間から、これでもか!ってくらい眩しい太陽の光が私の目を刺してくる。

寝起きにツラい、ツラすぎる。


ほんとさー、毎日生きているだけで偉いと思う。

誰でもいいから褒めてくれないかな。



なーんて考えながら朝の身支度をする


化粧して髪の毛巻いて歯磨きしてーっと


…朝ごはんは時間ないからパスね?


「やっばい、遅れる」

急いで荷物を車に詰め込む。


「行ってきマース!」

行ってらっしゃーいと母親から言われたが、急いでるから無視無視!!



なんで朝の時間って早く感じるんだろう


周りがスローモーションに見えてくる


1時間ほど運転をして、やっと到着

会社のドアを乱暴に開けてロッカーに走り込む


「おはようございまーす」

私は仕事をしたくないからか語尾を伸ばして言ってしまった


「おはよう一ノ瀬さん」

同じ役職であり先輩の鈴木さんだ


去年結婚したばかりの新婚さんで、おっとりした性格が旦那さんとそっくりだ


「おはようございます鈴木さん。朝礼5分前なのにゆっくりですね」


私はギリギリ出勤で焦っていたものの、1人仲間を見つけて安心感を覚え、話を振った


「家が近いから、いつもギリギリを攻めちゃうのよね」


笑いながらそう言う鈴木さんに

「家が近いの羨ましいなあ」

と、文句を言いながら2人で事務所に向かった



そんな私達が務めている会社は、全国に約20店舗ある大手結婚式場。


色々な役職があるが、その中の1つ【介添え】が私の仕事だ。


結婚式当日、新郎新婦様をサポートする役割だ


2人を先導したり、ドレスを持って歩きやすくサポートしたり、披露宴の中身を回してく重大な役割でもある


本来であれば誘導する【キャプテン】とドレスをサポートする【介添え】2人で行う仕事だから、年々退職する人が増え、1人が2つの業務を負う羽目になった



まぁ慣れればなんて事ないが。



おかげで激務だよ全く。







そんな訳で6勤目の激務を終えて帰宅


「ただいまぁーー」


ボスンっ

「つっかれたぁ…死ぬ…過労死で死ぬ…」


ベッドに倒れこんだ私はそのまま意識を手放した。













〜♪(アラーム音)



ピチチ…チュンチュン


鳥が鳴いてる…夜なのに?それって何鳥よ…


ボーーっとした脳内で必死に考えてる最中、窓の外を見た


「…朝!?」


そう朝なのだ。

私は帰宅してすぐ寝てしまった事に気付いた



「メイク落とさずに寝てしまったァァ!!!」


後悔の嵐だ。

まだ若いとはいえ肌は蓄積するもの


昨日の油断が今日の肌に出る。



「今日飲みなのに最悪なコンディション」


憂鬱な朝を何とか乗り切ろうと脱衣所に向かった








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