【掌編集】「藤尾瑛臣晩年作品」
晩年作品 「藤尾瑛臣掌編集」
【目貫】‐めぬき
実は、このカフスは目貫に細工をした特注品である。目貫の意匠は菖蒲の束を象り、表目貫と裏目貫が一揃いにあたる。端午の軒菖蒲を見立てた茎と諸刃剣のような葉は鍍金。黒色の花弁には、透徹な夜露を思わせる金剛石の粒が
【虚貝】‐うつせ
貝になりたい、と胸裏に冀いながら眠りに就いた。夢の中、片頬に
【紫鏡】‐しきょう
四十路の誕生日、頼んだ覚えのない小包が届いた。差出人の名前は、小学校で懇意にしていた学友の
【煙草】‐たばこ
瞼を開くと、皓白の煙草の残骸が屍山を成していた。枕頭の小卓、卓上に置かれた灰皿は切子である。その昔、線香は時間を測るための道具であった。煙草も、陰間茶屋の線香と同じく灰燼となって燃え縮む。同時に、吸殻が積み上げられる態は
【菖蒲】‐あやめ
遺体には、菖蒲の刺青が彫り込まれてあるらしい。男は、転落死の後、検視を済ませて警察署へ運び込まれてきた。男の遺体は、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。