第43話 教皇様③
レイナーとペンタクロンは医務室に連れて行かれ、サンティティの治療を受けながらノアとグレースに事情聴取を受けていた。
「え、ええっと、神父さん。要するに、あなたは宗教の元教皇であった故人のチェン氏が、不思議な力を持っていて、その力がレイナーさんに受け継がれているから、故チェン氏の遺言の通りに、その方を教皇にしようと、そう言っているのですかな。」
「正確にいうと教皇にしよう、ではなく、このお方は教皇なのです。」
「ま、まあ、話は分かりましたが……」
ノアはチラッとレイナーの方を見る.
「流石に、昨日今日、未来がどうだとか言い始めた人間を教皇に仕立てよう、というか、そんな話を信じろという方が、無理な話だと思いませんか。実際に、このレイナーという人物は、刑務所にいたような人物ですよ。」
「船の墜落を予知し、それを止めようとした結果です。ああ!なんで私はこんなところに気付かなかったのでしょう。船を止めとうとしたこの方のことを、なぜ調べようとしなかったのか。」
「いや、だから、酔っ払いの戯言……」
ノアは言いかけたが、この頑固な神父は聞く耳を持たないだろうと、諦める。
「まあ、もういいでしょう。好きにしていただいて大丈夫ですが、このコミュニティも、ディアボロという化け物を討伐できて一安心なところではありますが、まだまだやることが山積みで、みんなストレスが溜まっているんです。あまり、人を惑わすことを言っていないで、大人しくしていてください。」
その後、ノアとグレースは医務室から出ていき、レイナーはガクンと項垂れた。
「……一体、どうやったら、俺は信じてもらえるっていうんだ。あいつらが気づいた時にはもう遅いんだ。クソッ!!」
レイナーは悔しがり、地面に拳を叩きつける。
「……教皇様、コズモ船長に会いにいくのはどうでしょう?」
「え?船長に?」
前の時は、SPに捕まり相手にもされず、問答無用で刑務所にブチ込まれた。
正直、良い案だとは思わない。
ペンタクロンがノアに説明をしていたのを聞いていたので、なぜイブキ教の人間が自分のことを教皇と呼ぶのかは分かった。
教皇としての立場ならば、話を聞いてもらえるだろうか?
しかしながら、もしその、チェンという元教皇が自分にこんな能力を与えて死んだのだとしたら、自分は一生彼を恨む自信がある、とレイナーは思った。
「実は、チェン教皇が生前語っていたことがあるのです。コズモ船長に、太陽フレアの予言を伝え、その予言通りのことが起こったため、コズモ船長は予言を信じているのだ、っと。以前は、ちょっとアプローチの仕方を間違えただけです。今回は私がついています。」
レイナーは少し考える。
船首側には、歩きでも急いで行けば一週間ぐらいでたどり着けるだろう。また1ヶ月半はある。間に合うかもしれない……
「で、でもよ…ディアボロはいなくなったとはいえ、道中、ミジーだの、キーノだの、ヤバい連中いるだろ。言っておくけど、俺は戦えないぜ。あんたも、ソルジャーってわけじゃないんだろう。」
「確かに…護衛は必要かもしれませんね。教皇様に万の一つもあってはいけない。」
⭐︎⭐︎⭐︎
回復を待たずして、レイナーとペンタクロンは護衛を探し始めた。
サンティティは、包帯から血が滲み出るペンタクロンに、安静にするように何度も進言したが、ペンタクロンは無視して旅の準備と護衛を探し求めて歩き回っていた。
ノアにも相談しに行ったが、「誰もあなたたちについて行って護衛をしたいなんて連中はいませんよ……」と言われ、八方塞がりになる。
護衛はつけずにいくべきか…?
そう考えもしたが、すぐにその考えを撤回する。
ディアボロ以降、小型の生物はむしろ多く入ってきたように思え、コミュニティから出る行為は非常に危険とされていた。それもあり、益々護衛は雇いづらくなっていた。
「ペンタクロン様、アリアが…」
護衛を探し続けてウロウロしていたペンタクロンを捕まえて、ローデスが語りかける。
「あの子、またマニーシャさんのところに行ったのですか。罵声を言われて返されるのがオチなのに、なんでヒョコヒョコついて行こうとするんですかね。」
ペンタクロンはため息をついて、数分寄り道をしていきます、と言って、暗殺組織「
⭐︎⭐︎⭐︎
第44話「護衛をやりませんか」へと続く
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