第42話 終末交響詩

 最期に勝つのは君たちだ

 生まれた意味を探し求めて

 勝てばいいのか

 拝啓いつかの僕たちよ

 最期に勝てばいい

 最期に笑えればいい


 仰いだ空

 遥かな時の中で

 変わらないものを探して

 僕らが目指す場所は

 楽園、君も来ないか

 夢ばかり見てたらいけない

 大空を仰いで

 大空を見つめて

 大空に生かされてると知って

 大空に描いて、刻んで

 大空はただそこにあるだけ

 神に誓って

 神に祈って

 神がたとえいなくてもいいよ

 夢ばかり見てたらいけない

 天にいつも見下されて生きて

 天にまた逢う日までのお別れを

 空模様がどうだったとしても

 楽なわけないよ

 人生は苦悩と愛で満ちているだろう

 自分を信じて

 自分で決めて

 自分を愛して

 人を愛していて


 勿忘草

 春が遠ざかっていく悪夢を見たんだよね

 いつも夢のなかで怖い目にあう

 季節の移ろう速さに負けて

 私はどうにもやりきれなかった

 晴れたあの冬の日のままで

 全部忘れて置いてきた

 一つだけ忘れない痛みがあった

 眠れないよ

 あいつ高三で自殺した

 ビルの屋上から飛び降りた

 やるせない

 どうしようもない

 心の傷が

 いつの日か忘れてさ

 和らぐように


 君の名前

 ふと目覚めてからは君の面影追って

 ずっと探し求めて

 ずっと、いつでも

 かすかな記憶ににじむ色

 永遠を忘れた日

 命の灯映る空、夢を今

 幾億光年旅してさ

 君の足跡追いかける

 金色に光る花火を見たよ

 幾星霜も旅してさ

 君の名前を呼んでいるんだ

 君は最後、激しく光る金と赤


 浅葱色したパラレルな世界

 命に名前をつけるように

 世界に名前を付けなくちゃ

 夜空の下で分かち合う恋も

 夢の中でしか会えない人も

 全ての人が必要なんだ

 それでも紡げ声を

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